02
「……なあ、カナエ。オレ、ダイスケのこと、分かってなかった。昔から一緒なのに、なんであいつが怒ってたのか、分からないんだ……」
「アキト……」
一方こちらはアキトとカナエ。ポケモンセンターについてポケモンを預けてからもしばらく黙り込んでいたアキトが、ようやく口を開いた。
「あいつはただ負けて悔しいからって怒鳴るようなやつじゃない。きっと、なにか理由があるはずなのに……」
「……ねえ、アキト」
「おい、アキト!」
「だ、ダイスケ……」
「……」
カナエは、ダイスケの気持ちがなんとなく分かる気がする、と言おうとしたが、いきなりダイスケが来てアキトは戸惑い、カナエは彼が戻って来たのは良かったが、話が遮られ少し意気消沈した。
「あ、あのさ、ダイスケ……」
「アキト、さっきは悪かった!」
「え? ……え?」
ダイスケに自分がなにをしたかを聞き、それから謝ろうと思ったが、それより先に謝られ、アキトは戸惑う。
「……その、さっき、いきなり怒鳴っただろ? その、ごめんな!」
「え、あ、いや、オレは気にしてないからいいぜ! ダイスケも気にすんなよ!」
アキトは両手をぶんぶん振って笑っている。良かった、アキトと仲が悪くならなくて。
「えへへ、ダイスケが戻ってきてくれて良かったよ」
「おう、ありがとなカナエ!」
どうやら2人はおれを心配してくれてたらしい。やっぱりいいやつだ。
「おし、アキト、ぜってえ負けねえからな!」
「え? ああ、オレも負けないぜ、ダイスケ!」
「……」
ダイスケとアキトはお互い対抗心を燃やしている。なんか、うらやましいな。わたしだけ仲間外れな気分……。
カナエは、笑いつつも真剣に言っている2人を見て、そう思った。
「おう! じゃあ先にジム戦やってくれ、アキト。おれはこいつらを回復させなきゃいけねえからな」
「ああ、分かった。あとでな、ダイスケ!」
「後でね、ダイスケ」
「おう、じゃあな!」
ダイスケがポケモンを預けなければいけないため、2人はジムに向かうことにする。
ダイスケに手を振りながら言い、2人はポケモンセンターを出た。