02
「おい、待て! ガーディ!」
タイコウ山ももうすぐ抜けられる、という場所まで来て、いきなりガーディが走り出した。
ほのおタイプのポケモンが住んでるんだから喜ぶんじゃないか、と途中で出したのだが、それは正解だったらしく、今までは足元を元気に走り回り、あまり離れない程度に駆けていたのが、いきなり全力で走り出したのだ。
「ってちょっと待て、そっちは道が違う! カナエ、ダイスケ、ちょっと待っててくれ!
こら、ガーディ!」
「あ、アキト!」
十字路のような道は本来なら真っすぐに行くはずだったのだが、ガーディは左に行ってしまった。アキトは2人にそう言うと、慌ててガーディを追いかけた。
「もう、ガーディはアキトに似てやんちゃなんだから……」
「カナエ、待ってろ! おれも行ってくる! なんか面白くなりそうな気がするんだ!」
「ええ!? ちょっと、ダイスケまで!?」
驚いたような声の彼女には構わず、ダイスケは走り出した。
「……はあ、タイプ相性を覚えよっと」
こうなったらしかたない。アキトには待っててくれと言われたのだから、1人でも待つことにしよう。
カナエは座って、アキトから渡されたポケモンバトルについての本をカバンから取り出し、タイプ相性早見表の載っているページを開いた。