01
「……はあ、疲れた。そろそろ休憩にしようぜ……」
まだ日も高い時間帯、彼らはウスハナシティを出発して10番道路を抜け、11番道路と次の街、タイコウシティへと続くタイコウ山へと来ていた。
山と言っても、この山は進化の石が採掘される為通路が出来ており、彼らはそこを通っている。
のだが……。
「暑い!」
この山はほのおタイプのポケモンが多く住んでおり、熱気でむしむししていてまるでサウナのようだ。
あぐらをかいて座ったダイスケが、水筒の水をがぶ飲みしてから叫んだ。
「ホントだよな、もうしゃべる気も無くなる……」
同じく水筒を片手にあぐらをかいているアキトも、汗をだらだらとかいてうなだれている。
「2人とも暑がりだもんね」
だがカナエは、汗をかいてはいるが2人ほど暑がってはいないようだ。
「はあ、オレも女だったらもう少し涼しかったかな……」
アキトがつぶやくと、カナエは彼のことをなにか考えているような顔で見つめた。
「ど、どうしたんだよ」
「……うーん。やっぱり、女の子なアキトって想像つかない」
「それは嬉しいけど……。うーん、喜んでいいんだよな?」
動揺して尋ねるアキトだが、彼女の声色がなぜか少し残念そうに感じて、若干眉をひそめ微妙な表情になり尋ねた。
「いいだろ、多分男らしいってことだろうし」
「そうそう。アキトは昔からいつもわたしを助けてくれて、かっこいいから」
「え? えっと……。……うん、まあいいか。そろそろ行こうぜ」
彼は2人から褒められて(ダイスケは適当だが)少し戸惑ったが、とりあえず水筒をリュックに入れて、立ち上がった。