01
「はい、ポケモンはみんな元気になりましたよ」
「ありがとうございます!」
ポケモンセンターに着いたアキト達は、早速傷ついたカナエのポケモン達を回復に出した。
そしてたった今回復が終わったため、彼女が自分のポケモン達を受け取ったところである。
「よし。じゃあツボミちゃんは、これからどうするんだ?」
ポケモンセンターを出て開口一番、アキトが尋ねた。
「あ、はい。私は旅の途中だったので、一度休んでからまた旅に出ようと思ってますが、お2人はどうするんですか?」
「ああ。仲間のダイスケって男の子が来るのを待ってから、なにも用事がなければオレ達も旅に出るつもりだよ」
「お2人で旅をしてるわけじゃないんですね」
「ああ、まあね」
「……ツボミちゃん、もう行っちゃうんだ。寂しいなあ」
「私も出来ればカナエさんとは一緒に居たいですが……」
「え、オレは?」
自分を入れてもらえなかったアキトは、困惑した顔で自分を指差し言った。
「も、もちろんアキトさんもですよ? 2人とも話しやすくて、楽しいです。けど、やっぱりカナエさんは私の恩人なので……」
ツボミは慌てて取り繕い、顔を赤らめカナエを見る。
「えへへ、ありがとね、ツボミちゃん」
「いえ、お礼を言うのは私の方です。あなたが居なければ、今頃私のポケモン達はどうなっていたことか……。
では、私はそろそろ行きますね。助けてくれてありがとうございました、また会いましょう」
カナエのお礼に彼女も礼で返し、ぺこりと一礼してから立ち去った。
「ああ、じゃあな! 気をつけろよ!」
「またね!」
アキト達は彼女に手を振り、彼女も振り返り、ありがとうございます! といいながら手を振り返す。
そして2人は、彼女の姿が見えなくなるまで見送った。