05
「よーしピジョット、サンダース、たっぷり食べろよー。ほらヘラクロス、お前の大好きな甘い蜜だぞ。ガーディ、カビゴン、ブイゼル、ジム戦はよくがんばったな。……よし」
1人になったアキトは現在、ポケモンセンターから出てポケモン達に食事をあげていた。
ジムで戦ったポケモンは、ポフィンのおまけ付きである。
おいしそうに食べているみんなを順番に撫で、終わるとあぐらをかいて地面に座り、リュックの中にあるバッジケースを取り出した。
「いやあ、あと3つでバッジが8個そろうのか。……あいつとシンヤは今何個バッジを持ってるんだろうなあ」
これまで手に入れたバッジを眺めて、2人のライバルのことを思いだす。
あいつ、とはリョウジのことである。
「はぁ……。はぁ……。あの、アキトって男の子は君ですか!?」
「え? ああ、そうだけど」
「あの、私はツボミって言います! えっと、カナエって子が……。とにかく来て下さい!」
いきなり女の子が走ってきた!? 疲れてるみたいだ……。
バッジケースをしまいながらどうしたんだ、と続けようとしたが、彼女はそれを遮り言った。
「カナエが……!? みんな、戻れ! ツボミちゃん、急ごう!」
「はい!」
彼女の発言を聞いた彼は、すぐにみんなをボールに戻しリュックをからった。
そして2人は、急いで走り出した。