01
「おし、今度こそジム戦はおれが先にやるぞ、アキト!」
「ああ、分かった」
「……は?」
ここはウスハナシティ。ジムと、海沿いで川もあるという便利な街だ。この街に着きポケモンの回復を終えたダイスケが早速アキトに言う。だが、彼はアキトがまた張り合ってくると思っていたため、大人しく了承したのを見てついすっとんきょうな声を出してしまった。
「おいおい、分かったってなんだよ?」
「分かったは分かっただよ。先に挑戦していいぜ」
「……アキト、どうしたの?」
「まさか、またあいつに負けたからってびびってんじゃねえよな?」
2人は、いつもの彼らしからぬ言葉に、心配そうに声を掛ける。
「え? いや、ただちょっと先に特訓しようかな、と思っただけさ」
「……分かった、ならおれとバトルだ、アキト」
「え? 別にいいけど、なんでそうなるんだよ?」
「いいから、やるぞ!」
「お、おい!」
ダイスケは、困惑しているアキトを無理やり連れてポケモンセンターを後にして、カナエもそれについていく。