02
「わざの確認は大丈夫! アキト、負けねえぞ! ガーディはほのおタイプ、ニョロモの方が有利だからな!」
「悪いけど、相性の差なんてオレ達には関係ないぜ!
気合いと根性でそんなの覆してやる! 行け! ガーディ!」
「それならおれだって負けねえ! 出番だ、ニョロモ!」
2人は互いに意気込みをぶつけ合い、アキトはボールを一度軽く上に放りキャッチして、二人は同じタイミングでそれを投じた。
2匹が元気にモンスターボールから現れる。
「ガーディ、ひのこ!」
「かわしてみずでっぽう!」
ガーディは小さな炎を撃つが、ニョロモは跳んでそれをかわし口から勢い良く水を発射する。
「お前もかわしてアイアンテールだ!」
だがガーディは走りながら横に避け、接近すると跳んで硬いしっぽを水平に叩きつけた。
「続けてかみつく!」
「みずでっぽうだ!」
ガーディは噛みつこうと飛びかかるが、逆に顔面に水を食らってしまう。効果は抜群だ。
「ガーディ、大丈夫か?」
アキトが心配して声をかけると、ガーディは体をふるふると震わせて水気を落とし、ダメージを感じさせない元気な返事をした。
「よし、今度こそかみつくだ! 前に投げろ!」
ガーディは鋭い歯でニョロモに噛みつくと、首を振りながら顎を離しニョロモを前方に放り投げる。
「よし! 決めるぜ、ガーディ! かえんぐるま!」
「みずでっぽう!」
そしてニョロモが水を発射するより先に炎を纏い突進し、ニョロモは後方に飛ばされ、そのまま落下し倒れた。
「ありがとな。戻れ、ニョロモ」
「よくやったな、ガーディ。ゆっくり休んでくれ」
2人はポケモンをボールに戻し、アキトは彼に近寄り手を差し出した。ダイスケもそれをがっちりつかんで握手をした後、離して彼の肩に手を置く。
「じゃあ行くか、アキト」
「え?」
一人で旅に出るつもりだったアキトは、思わず素っ頓狂な声を出してしまった。
「そうそう。みんな一緒に、ね?」
カナエも駆け寄ってきて、顔を覗き込み言ってきた。
「……まあいいか。じゃあみんなで行こうぜ、ポケモンマスターになるための旅に!」
「うん!」
「おう!」
アキトが駆け出し、二人も続けて走り出す。
アキトと幼なじみとポケモン達の旅が、今始まった。