01
バトルに負けたアキトは、アオズリにモンスターボールを預け2人の幼なじみとともに研究所の一室で回復が終わるのを待っていた。
今彼らの居る部屋はアオズリの私室で、右手にはパソコンと山積みの資料が乗っている机、中央にはテーブルとソファー、部屋の角にはテレビの乗った台、そして窓がある。
「アキト、大丈夫?」
バトルに負けた彼を心配し、声を掛けたのはカナエ。
アキトの幼なじみの1人で、赤い半袖のシャツに白のハーフパンツ、ピンクの靴で同じくピンクのカバンを肩に掛けており、肩まである髪を後頭部で結びポニーテールにしている。
「オレは平気だよ。それより、ガーディは大丈夫かな……」
「まあ、大丈夫だろ。ガーディが元気になったら、おれともバトルするぞ!」
今アキトと話しているのは、ダイスケ。アキトのもう一人の幼なじみで、黄色のTシャツに青の半ズボン、白い靴を履き黒いリュックを背負っている黒い短髪の少年だ。
「ああ、そうだな。
……そういえば二人は、どのポケモンをもらうんだ?」
「わたしはナゾノクサにするわ」
「おれはニョロモにする」
「へえ、じゃあみんな違うポケモンか」
アキト達が話していると、ドアが開く音がした。
皆の視線が一斉にそちらへ向く中、アオズリが現れた。
「そうなるね」
と言いながら、アキトにはガーディが入ったモンスターボールを、カナエとダイスケにはそれぞれナゾノクサとニョロモの入ったモンスターボールとポケモン図鑑、空のモンスターボールを手渡した。
「これがポケモン図鑑ですか、博士?」
「うん。後のことは君達に任せたよ」
彼はカナエの問いに答え、忙しいのかまたその場を去っていってしまった。
「じゃあポケモンももらったし……」
ダイスケがアキトの方を向く。
「ガーディ、大丈夫か? バトルしたくないならいいんだぞ」
アキトがボールから出して尋ねると、ガーディは元気良く吠えた。これは、大丈夫、って伝えたいんだな。
「分かった。よし、ダイスケ! オレとバトルだ!」
ガーディの意思を確認した後ボールに戻したアキトは、ダイスケに向けてモンスターボールを突き出した。
「おう、負けねえぞ!」
ダイスケも同じ動作を返して、3人は研究所を後にした。