01
「行け! ピジョン!」
「行け!」
9番道路、一匹のグライガーが飛んできてアキトがピジョンを出すが、そのグライガーにモンスターボールが投げられる。
ボールは地面に落下して三度揺れ、カチッという音が鳴りそれは収まった。
「誰だよ、オレが捕まえようと思ったのに!」
と彼がそのモンスターボールが飛んできた方向を見ると、黒髪の少年、リョウジが立っていた。
「お前は……リョウジ!」
「……はぁ、お前達か」
その少年は、なんとアキトのライバルの1人、リョウジであった。
彼はアキト達を見ると、ため息まじりに言った。
「1つ言っておくが、こいつは俺が追っていたポケモンだ」
「待てよリョウジ、オレとバトルだ!」
リョウジはそれだけ言うとボールを拾いバッグにしまって、両手をポケットに入れて立ち去ろうとしたため、アキトは彼を引き止めバトルを挑んだ。
「フン、そういえば俺に勝つとか言っていたな」
「ああ、そうだ! 負けたままじゃあ終われないからな!」
リョウジが立ち止まって振り返り言ったため、アキトは拳を握りしめて返した。
「そんなことを言うからには、少しは強くなってるんだろうな?」
「やってみれば分かるさ」
「……まあいい、どんな相手でも多少はポケモンが育つからな。そのバトル、受けて立つ」
「……どんな相手でもって、どういう意味だよ」
「さあな」
「ムッ……」
「それより、3対3でいいな?」
「……ああ」
アキトはリョウジの相変わらずの言動に腹が立ったが、とにかくバトルは受けるらしく、ルールも決まった。3対3、前回のバトルの時と同じルールだ。