03
「……それにしても、匂いでみんな倒れるなんてな」
「ああ、あれはきつかった……」
「2人とも、ごめんね……」
クサイハナの匂いは強烈で、2キロ先に居る人にまで届き気を失わせる、鼻が曲がるとも、その臭さに記憶が無くなるとも言われる程だ。
それを近くで嗅いでしまった3人は、あまりの臭さに気を失ってしまっていたらしい。
「しかたないよ。いつ進化するかなんて分からないし、分かってもさすがにああなるとは思わないもんな……」
「そうそう、気にすんな……」
申し訳無さそうに言うカナエをアキト達はフォローするが、その表情にはいつもの元気さは宿っていない。
「……うん、ありがとう。ごめんねアキト、ダイスケ」
うう、2人の優しさがつらい……。彼女は、彼らの様子を見るとどうしても2人に申し訳無いと思う気持ちが拭えなかった。
「それとナゾノクサ、ううん、クサイハナも、ごめんね」
そして彼女は腰に付いたモンスターボールを取り出し、クサイハナにも謝る。
「よし、そろそろ休もうぜ……」
「うん……」
「賛成……」
トンネルは長い。3人は一度休憩を取り、無理やりにでも元気を取り戻すことにした。