02
「ナゾノクサ、はっぱカッター!」
ここはウスハナトンネル。今は昼ということもあり洞窟の中だがそこまで暗くはなく、普通に辺りを見回せるほどの明るさを保っている。
足元に注意しないでもこける心配が無いくらいには安全な洞窟だ。
ナゾノクサが指示を受け、野生のピッピ目掛けて葉っぱを飛ばす。
その攻撃をするのは2度目で、葉っぱに切り裂かれたピッピはもうほとんど体力が無くなっている。
「よし、いいぞ! かなり効いてる!」
その様子を見て、アキトがガッツポーズをする。
「行って、モンスターボール!」
カナエはピッピに向かってモンスターボールを投げるが、外れてしまう。
「カナエ、頑張れ!」
「うん! もう一度、行って、モンスターボール!」
そして二度目のモンスターボール。ピッピは逃げようとしていたが、その前に命中させることに成功する。
モンスターボールは三度揺れるが、カチッという音が鳴りそれは収まった。
「やった! ピッピ、ゲット!」
そして高くモンスターボールを掲げ、喜んで言った。
足元に寄ってきたナゾノクサも嬉しそうに飛び跳ねている。
「良かったなカナエ!」
「うん!」
彼女がモンスターボールをベルトに付けナゾノクサを抱きかかえると、ナゾノクサは突如光を発した。
「な、ナゾノクサ!?」
「お、とうとう進化か! やったなカナエ!」
「マジか!」
アキトだけでなく、ダイスケも駆け寄って来てそれを見る。
3人が見つめる中光は消え、進化した姿が現れる。
「……ううっ」
カナエがいきなり倒れた!?
「ど、どうしたんだカナ……エ……! うっ……!」
カナエを心配して、声をかけたアキトも倒れてしまう。
「お、おい二人とも、どうし……た……!」
さらにはダイスケまで倒れてしまう。
いきなり倒れた彼らを見て、クサイハナは1匹訳が分からなそうな顔で立ち尽くしている。