02
「じゃあおれはポケモンの回復してくるから、待っとけよ」
「ああ、もちろん」
「急がないでいいからね」
「あんがとな」
ジム戦を終えたダイスケとともに公園に来たアキト達だが、ダイスケはポケモンを回復させるため、ひとまずポケモンセンターへと向かった。
「さて。じゃあそんなに時間もかからないだろうけど、ガーディ達と遊んでおくか。みんな出てこい!」
彼が去るのを見届けたアキトは、ベルトにセットされているモンスターボール全てを上に投げ、手持ちのポケモン達を出した。
ガーディ、ピジョン、サンダース、ゴンベ、ヘラクロス。現在の手持ちはこの5匹だ。
だがすでに食事をすませているためか、ゴンベは寝てしまっている。
「あちゃー……。まあ、しかたないか」
アキトは、帽子のつばに手を当てて言った。
「うーん……。じゃあわたしも! みんな出てきて!」
彼がポケモンを出したのを見て、カナエも自分のベルトについたボールを全て投げた。
現在の彼女の手持ちはナゾノクサ、メリープ、ラルトス、ムウマの4匹だ。
「えーと、あったあった。よーし、行くぜガーディ! ピジョン! サンダース! ヘラクロス! それ!」
とりあえずゴンベは放っておいて遊ぶことにしたアキトは、リュックからフリスビーを取り出して勢い良く投げた。
サンダースは相変わらず距離をとりツンとして座ったまま動かないが、他のポケモン達は元気に追いかける。
「よしよしナゾノクサ。ラルトスとムウマも」
カナエは3匹を撫でるが、メリープはさわると痺れるため撫でることができない。
しかしメリープは、目を輝かせ今か今かと待ちわびたような顔で彼女を見つめている。
「うっ……。すごく眩しいよメリープ……」
「……。カナエ、ほら」
そんな彼女達を見かねた、アキトはリュックの中からゴム手袋を取り出した。
「アキト……。ありがとう。けど、どうしてこんなものを?」
「サンダースはでんきタイプだから買っといたんだ。お、えらいぞピジョン!」
だが戻ってきたのはピジョンとヘラクロス。ガーディがまだだ。
「あれ?」
アキトが見回すと、ガーディはサンダースとなにか話していた。ガーディは元気な声でなにか言っていて、サンダースは相変わらずツンとしている。
見ているとサンダースが徐々にあきらめたような表情に変わっていき、2匹もアキトの足元に来た。
「一緒に遊ぶように説得したのか?」
アキトの問いかけにガーディは元気に返事をして、サンダースはため息を吐いた。
「……よし! もう1回だ! それ!」
アキトが再びフリスビーを投げる。
今度は寝ているゴンベ以外、全員が走り出した。
「よしよし、気持ちいい?」
カナエは、片手にゴム手袋をつけてメリープを、もう片方はなにもつけずに他のポケモンを撫でている。