03
「よし、まずはすべり台だ! 行くぜカナエ!」
「ま、待って、アキト!」
「え?」
公園へと着いたアキトがカナエの手を掴んで走りだそうとしたが、彼女に止められてしまう。
「ごめんね。わたし、公園に来たのは遊ぶためじゃあないの」
「え? じゃあなにするんだ?」
彼は目を丸くして尋ねた。それもそうだ、アキトには、まさかバトルなわけがないだろう、公園でやることなんて他に想像が出来ないのだから。
「モンスターボールを投げる練習をしようと思って……」
「ああ、そういえば前全く当たらなかったもんな」
「うん……」
彼女はうつむき、少し落ち込んだように返事をする。
「じゃあがんばれよ、応援してるぜ」
「ありがとう、アキト」
彼女は礼を言ってから、モンスターボールを取り出した。