01
「ニョロモ、のしかかりだ!」
シザークロスをかわしたニョロモが、ジャンプしてコロトックにのしかかる。
「おし! みずでっぽう!」
さらに続けて水を勢いよく発射……せずに、泡を勢いよく発射した。
「ち、違うニョロモ! あわじゃなくてみずでっぽうだ!」
だがコロトックはその攻撃を食らい、地に伏した。
「え? あ……」
え? た、倒れた……? ……よな。
「コロトック、戦闘不能!」
……やっぱり倒れてたのか。
「……や、やった! おし!」
ダイスケはまさかこれで倒れるとは思わず少し固まったが、とりあえずガッツポーズをした。
「って、うわ!?」
直後に、大きな声を発した。
「どうしたんだ、ダイスケ?」
「いきなり図鑑が振動しだしたんだ!」
そう言いながら彼はポケモン図鑑を取り出した。
画面にはニョロモの覚えている技が表示されている。
「あれ? バブルこうせんって技がある」
ダイスケが見てみると、技の欄に1つ見たこともないものが加わっていたのだ。
「新しく覚えたんだな! 良かったな、ニョロモ!」
「はい、クリケットバッジ」
「ありがとな! えらいぞ、ニョロモ!?」
喜んでいるダイスケにセイジが近づきバッジを差し出す。それを受け取ったダイスケはニョロモを抱き上げたが、いきなり驚いたような声を出した。
理由は、突然ニョロモが光ったからである。
「とうとう進化か!?」
彼がそう言っている間にも、光に包まれたニョロモはどんどん形を変えていく。
そして光が消えると、そこには見違えた姿があった。
「や、やった!?」
彼は喜びながらも、抱き上げたニョロゾを一度足元に下ろし、図鑑をかざす。
「ニョロゾ。おたまポケモン。
2本の足は発達しており地上で暮らせるのに、なぜか水中生活が好き」
「おし! やったな、ニョロゾ!」
そして、説明を聞き終えてから、成長した自分の相棒を抱きしめた。