04
「よし、行け! サンダース!」
「行くんだ、ルクシオ!」
結局手頃な場所は見当たらず、4人は一度街の外に行き広めの場所に出たのだった。
モンスターボールから出てきたルクシオは、サンダースに対し闘争心をむき出しにしている。
あのルクシオ、特性はとうそうしんか。
「よし! サンダース、シャドーボール!」
「ルクシオ、ばかぢから!」
サンダースがエネルギーを溜め、ルクシオがその間に近付く。
しかし溜めはすぐに終わり、ルクシオは影の球に直撃してしまった。
「大丈夫かい、ルクシオ?」
しかし、シンヤが心配して声を掛けるとルクシオは元気に返事をする。
「よし、もう1回ばかぢから!」
「サンダース、シャドーボール!」
「跳んで避けるんだ!」
向かって来るルクシオに影の球を撃つサンダースだが、ルクシオはそれを跳んで回避し、更にその勢いでサンダースに飛び付きばかぢからを叩き込んだ。
「しまった、大丈夫か!?」
アキトが声を掛けると、サンダースはなんとか立ち上がる。
「よし、10まんボルトだ!」
「でんこうせっか!」
立ち上がったサンダースは技を使おうとしたが、その前にルクシオの技が決まる。サンダースは後方に飛ばされ、力無く落下しそのまま倒れてしまった。
「サンダース! ……ありがとう、ゆっくり休んでくれ。 行け! ガーディ!」
彼はサンダースをモンスターボールに戻し、ベルトに付けたガーディのモンスターボールを取って、軽く上に放り、キャッチしてそれを投げた。
「ガーディ、かえんぐるま!」
「ルクシオ、かわすんだ!」
出て来たガーディは、すぐに炎を纏い突進をする。
跳んでそれを避けようとしたルクシオだが、ガーディも追いかけて命中させる。ルクシオは後方に飛ばされ、そのまま落下し立ち上がらない。戦闘不能だ。
「ルクシオ、ありがとう。ゆっくり休むんだよ。
行くんだ、トゲチック!」
「ありがとな、ガーディ。一旦休んでくれ。
行け! ピジョン!」
2人は自分のポケモンを戻し、シンヤは2匹目を、アキトは3匹目を繰り出した。「ピジョン、ブレイブバード!」
ピジョンは先手を取り、翼を折り畳み突撃する。
「トゲチック、でんげきは!」
だがトゲチックも負けてはいない。
攻撃の反動を受けているピジョンに、素早く電撃を浴びせる。
「ピジョン、大丈夫か!?」
効果が抜群の一撃を受けたピジョンだが、なんとか持ちこたえた。
「よし、ブレイブバード!」
そして再び突撃する。
トゲチックはその一撃で、地に落ち倒れた。
ピジョンは、攻撃の反動を受ける。さすがにダメージが溜まっているのか、少しつらそうな顔だ。
「トゲチック、ありがとう。ゆっくり休むんだよ。
行くんだ、ロコン!
この子はぼくの相棒、一筋縄じゃあ行かないよ!」
そしてシンヤはトゲチックをボールに戻し、最後の1匹を繰り出した。
「ピジョン、一旦休むか?」
アキトが尋ねるが、ピジョンはまだ行ける、とでも言っているのか勇ましい声で返事をした。
「分かった。ピジョン、ブレイブバード!」
「ロコン、かわすんだ!」
三度翼を折りたたみ突撃するが、ロコンはジャンプでかわした。
「かえんほうしゃ!」
そして口から強烈な炎を撃ち、ピジョンを仕留めた。
既にボロボロだったピジョンは、そのまま地に落ち倒れた。
「ありがとうピジョン、ゆっくり休んでくれ。行け! ガーディ!」
そしてアキトも、最後の1匹を繰り出す。
ガーディのモンスターボールを軽く上に放り、キャッチして前方に投げた。
「オレの相棒はこいつだ!
絶対負けないぜ!
ガーディ、アイアンテール!」
ガーディは走って駆け寄り硬いしっぽを振り下ろす。
「かわしてじんつうりき!」
だがロコンは横に移動してそれをかわし、見えない不思議な力を送り攻撃した。
「もう一度アイアンテールだ!」
「かわすんだ!」
しかし今度はガーディもその技を命中させる。
「続けてかみつく!」
そしてその技を受け後方に飛ばされたロコンに思い切り噛みつく。
「ロコン、じんつうりき!」
だがロコンはダメージを食らいながらも、先ほど同様見えない力を送りこむ。
ガーディはそれを食らい、思わず離してしまった。
「今だロコン、エナジーボール!」
その隙を逃さずに、自然から命の力を集めたエネルギーの球を放つ。
「かわせ!」
しかしガーディはそれを避けれずに食らってしまい、既にダメージの蓄積していたガーディは、その攻撃で倒れてしまった。
「ガーディ!? ……ありがとう、ゆっくり休んでくれ」
「よくやったね、えらいぞロコン!」
アキトはガーディに歩み寄り、抱き上げ撫でてからモンスターボールに戻した。
シンヤは、ロコンに駆け寄り頭を撫でている。
「あーあ、アキト負けちゃった」
「いやあ、シンヤ強いな!」
カナエは残念そうにしているが、アキトは負けた悔しさよりもバトルの楽しさが勝ったのか笑顔で彼に歩み寄り左手を差し出……そうとして慌てて右手に替えた。「アキト君も強かったよ。もしエナジーボールが決まらなかったら、負けてたかもだったからね」
シンヤは、笑顔でその手を掴んだ。