01
「なんかいいやついねえかなあ」
カナエが(というかアキトが)メリープを捕まえるのと同時刻、別の草むらでダイスケも捕まえるポケモンを探していた。
「あいつはどうせアキトが捕まえてるだろ。うーん……。ん? お、なんだあいつ」
彼はゴマゾウを見つけたが、それはスルーして辺りを見回す。すると、蜻蛉のようなポケモンが目に入った。
図鑑を取り出して確認する。
「ヤンヤンマ。うすばねポケモン。
大きな目玉は動かさなくてもあらゆる方向を見渡せるので、敵やエサもすぐ見つけられる」
「なるほど。おし! 出番だ、ニョロモ!」
そして図鑑に説明を聞いてポケットにしまい、勢い良くモンスターボールを投げ、ニョロモを出す。
「ニョロモ、れいとうビーム!」
早速冷気のビームを撃とうとするが、気づいたヤンヤンマが羽ばたきで衝撃波を巻き起こし、その攻撃でニョロモは飛ばされてしまった。
「おい、大丈夫かニョロモ!」
ニョロモはなかなか大きなダメージを受けたが、すぐさま立ち上がる。
「おし! ニョロモ、かわしてれいとうビームだ!」
再び衝撃波が飛んでくるが、ニョロモはジャンプでかわして冷気のビームを放つ。
「食らえ! モンスターボール!」
それを食らったヤンヤンマは、羽根の一部が凍結し地面に落下した。ダイスケはその機会を逃さずボールを投げた。
ボールは3回揺れるとカチッという音が鳴り、それは収まった。
「おし! ヤンヤンマ、ゲットだ!」
そして彼はそのボールを拾い上げ高く掲げ、足元のニョロモも一緒に喜ぶ。
「じゃあもうこいつゲットしたし、アキトんとこ行くか」
ダイスケはそのボールをベルトにセットし、ニョロモを抱きかかえて言った。