02
「いやあ食った食った、もうお腹いっぱいだ!」
「満足そうだね、アキト」
木陰で食事を済ませたアキトがお腹をさすり、カナエはそれを見て微笑む。
「ああ、今日もサンドイッチおいしかったよ。ありがとな」
3人のお弁当を作るのはカナエの係だ。といっても、サンドイッチやおにぎりなどの簡単なものだが。
「えへへ、いいよ」
「……」
一方ダイスケは両手を頭の後ろで組んで暇そうに2人が話しているのを見つめている。
「よし!」
アキトは突然立ち上がったかと思うと、彼女の方を向いてぐっと拳を握り締めた。
「カナエ、オレとバトルしようぜ!」
「え、ええ? わたし?」
「アキト、バトルならおれとやろうぜ!」
彼の発言にカナエは戸惑い、ダイスケは慌てて立ち上がった。
「ごめんダイスケ。ほら、カナエはまだトレーナー同士のバトルしたことないだろ? だから、どうかなと思ったんだ」
「あー、確かに」
理由を話すと、納得してくれたみたいだ。
「な、カナエ。やろうぜ?」
「……うん、分かった」
2人から見られた彼女は、しぶしぶ頷いた。