一話 夢と目標
ナンデ?
ドウシテ?
ナンデオレハコンナメニアワナキャナラナイノ?
マダ、イッショニイタイヨ。
トウサン、カアサン、トオル。
イカナイデ。
ネェ、オネガイダカラ。
オレヲ、ヒトリニシナイデヨ――。 ◎ ◎
よく晴れたある日のこと。
四人の少年少女が、コトブキシティのトレーナーズスクールで、夢を語り合っていた。
「私は、ポケモンチャンピオンになる! 絶対、なってみせるわ!」
こういうのは、
坂田チヨコ。金髪のポニーテールが特徴的だ。
叫び声にも近いその声は、気に止まっていたムックルたちを驚かせていた。
「僕はトップコーディネーターになるんだ」
こういうのは、
五十嵐ミドリ。茶髪の癖がある髪型をしている。
「ボクだってなってやるんだからね。ミドリくんなんかには負けないよ」
こういうのは、
遠藤アリサ。茶髪のストレートが太陽の光と笑顔を受けて輝いていた。
「俺は……」
そんな中迷う少年は、遠藤ツカサ。真っ直ぐでさらさらな黒髪は、彼の性格を現しているようだ。
「卒業を間近にして、まだ決まってないの?」
アリサが呆れたようににツカサにたずねた。
「……まあ、目標くらいはある、けど」
「なによ、その目標って。みんな夢っていうか、目標晒したんだから、あんたもしなさいよね」
チヨコに言われ、彼は少し悩みながらも、こう告げる。
「……そうだな」
一息おいて、ツカサはこう続ける。
「何かを守るための力が欲しい……ってところだな」
「じゃあ私と同じね。負けないわよ」
ツカサの言葉を同じ夢ととったチヨコは、今から闘争心を燃やす。
彼はそんな彼女に戸惑いながらも、
「ああ、俺だって負けない」
軽く笑みを浮かべた。
彼ら、彼女らは幼馴染で、とても親しい仲だ。