2‐13
――ここは、どこね?
さっきまで、あんちゃんがうるさかったような……。
目を開けても、真っ暗なまま。
「なん……ね、これ……!?」
目隠しでもされとるとやろうか。
そう思ってとろうとしたけど、手が届かん。
と、突然、
「目が覚めたか」
後ろから声が聞こえた。
「誰ね!?」
振り向いてみたけど誰もおらん。
「静かにしていれば悪いことはしない」
「うるさくしとったら悪いこつばすると!?」
「まあ、そういうことだ」
「なんで!? ウチが何かしたと!?」
「…………」
相手は黙り込む。
けど、一息おいてこう言った。
「お前は大事な
人質――いや、違うな。使えそうだ」
「……はぁ?」
呆れてしまった。
「
人質ぃ? なんねそれ。それに、使えるって酷かね」
「今決めた」
こいつアホじゃなかか。そうじゃなかったら何なんやろ。
「とにかく、お前にはおとなしくしてもらわないと困る」
刹那、ウチの頭が相手に掴まれた。
「な、なんばすっと!?」
「少し……眠ってもらう。ほんの少しだけ――」
そして、突然の睡魔に負けてしまった。
このほんの少し≠ェ一年以上になることを、ウチはまだ知らなかった。