SPE1‐4
その日、ルビーはペラップに成果を報告したあと、ドゴームに頼まれた資材運びを手伝い、そうしているうちに時間は過ぎて行って、時刻はもう十八時を回っていた。
「みなさーん! 夕食の準備が出来ましたよ〜!」
チリーンのいつもの声で、戻ってきていた弟子たちは一斉に食堂に入っていった。その様子は探検の疲れを見せない、威勢のあるものだった。
☆☆☆☆
夕食が終わり、就寝。
ルビーとドゴーム、そしてヘイガニが使っている部屋から。
「ぐごごごごごぉおおおおおお……ぐごぉぉぉぉぉぉおおおおおおお……ぐがおあああああああ……ぐがっ! ……ぐがおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおお……」
とてつもないいびきの音が聞こえていた。
「うぅう……」
ルビーは、ドゴームのいびきのせいで眠れなかった。ヘイガニはよく寝られるなあ、とすら考えていた。叩き起してどれだけ迷惑か教えたいところだが、そんなのはおっかなくてできない。
ふと、成り行きで渡され手に入ってしまった、あるもののことを思い出す。懐からそれを取り出して目の前に置く。それは紙だった。随分ボロボロで、様々な者を転々としてきたのだろうと推測できる。
よく見てみれば、場所を示した地図のようだ。ある場所に印がつけられ、そこには『星の洞窟』と書かれていた。
「この印があるところに……『星の洞窟』があるってことでゲスかね?」
『星の洞窟』。この一言はルビーの頭から離れなかった。気になって仕方がない響きだ。ここにはとてつもなく素晴らしいものがあると、思えてならなかった。
気になって余計眠れなくなった。だが眠らないと明日が辛い。
ルビーは地図を懐にしまうと、横になった。こうなったら無理やりにでも寝よう。
「ぐごごごごごぉおおおおおお……ぐがおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおお……」
「ね、寝るでゲス……寝るでゲスぅぅ……」