ポケットモンスター・スカーフェイス 〜深淵に咲く花〜
Back In Black
Sodom
アッティラ地方は北をカロス、東をイッシュ、西をアローラに囲まれた場所に位置するアッティラ大陸を国際的に称する際に使われる。

九つの都市がアッティラ地方を結成し、大陸はいびつな円形を形どってはいるがちょうど中央を卜型に標高6000メートルのトランシル山脈が走り、都市をそれぞれ南方、西方、東方にきれいに三分割している。

卜型のちょうど股の部分を南方都市群、そして一地方に一人はいるジンクスでもあるのか、とにかくこのどうしようもない土地の中ではそれなりに世界に向けた知名度があるかもしれない、ポケモン研究者バニア博士が研究所を構える僻地中の僻地都市、ロミヌスがある。

ロミヌスから見てトランシル山脈を背中に海方向へ下り特産物のワインに市政も市経済も市民も依存しきったモノカルチャー都市、ランゴバルドがある。そこから船で30分、大陸から少しだけ離れた島に孤立都市、バンダルが存在。他都市から離れているせいか、治安がアッティラ地方にしては穏やかでポツリ、ポツリと訪れるアローラからの観光客で口に糊をしている。

浅瀬と山脈のおかげでそれらアッティラ南方都市からは遠回りをしなければ着けないのがこの大陸随一の港湾都市、ブルグンド。西方都市の入り口でもあるここはアッティラと他地方をつなぐ唯一の場所とも言え(アローラは何やかや言ってもそれなりに近いので、ご近所と言った方が適切くらいの位置関係である。もちろん、アッティラが観光地として立ち回るためのすべてのノウハウはアローラに横取りされていて、険悪な関係ではあるが)ありとあらゆる異文化、外貨、そして国際犯罪がここから侵入してくる。

ブルグンドから山脈麓方面まで進むとアッティラ大陸の中心、唯一海に面しない都市、そしてありとあらゆるフィルターを突き抜けた猛毒が石を穿ったかの如くできた穴倉のような都市、フランクがある。アッティラ中の失業者、日雇い労働者、犯罪組織、薬物関係者、そしてギャンブルの対象となり、その賞金のみを生活の拠り所とする賞金稼ぎ達が吹き黙る極悪のるつぼ。堅気が近づいてはいけない、渡世者どもの巣。

フランクを山沿いに北上すれば、カロスが大分近くなるアングル=サクソン、ジュート、ウェスト・ゴートの三都市があるがこの三つはただでさえ何もないアッティラの中でことさら特色のない地域。カロスに勤務先を持つ向こうのアッパーミドルクラスの人々がベッドタウンにしているぐらいだ。

そしてここからが本命、最後の都市。確かにアッティラは世界で最も小さな地方であり、そして抱えている都市も少ない。

しかし、世界で最も大きい都市はカロス地方のミアレシティ、カントー地方のヤマブキシティにイッシュのヒウンシティ、ホウエンのミナモシティといったメンツを抑え、アッティラ大陸の東半分を丸ごと擁する巨大都市、イースト・ゴートがその王座を勝ち取っている。

そう、大陸をトランシル山脈でちょうど分断した東側全てが一つの都市なのだ。下手をすれば、アローラ地方の島一つ分はある面積を持つのがイースト・ゴート。もちろん諸都市と比べてただ大きいだけ、というのは否めない。文化的にも何も特色がなく、ただ面積が広いだけ。ここまでくればアッティラらしいと言えばアッティラらしいが……

このなにもかも、清浄とは言えない猛毒、極悪の糞壺で物語は始まる。


サタ丼 ( 2019/10/13(日) 08:33 )