第二話 ジブン探し
『自分』を探しに 
今からそう遠くない未来に、優秀だが、怪しい科学者がいた。
彼は、ポケモンを研究し、実績も確かでポケモンの治療の簡略化や、ポケモン避けスプレーの改良などなど。
しかし、一方で怪しい噂もたくさん有り、人体実験…いや、ポケモン体実験を行っているだの違法なことをしてるだので何回か危ないことに陥ったこともある。
今回、彼が編み出した技術は、『ポケモンのクローン化』だ。
この技術を駆使すれば、色々なことが可能になる。例えば、ポケモンを使って実験が(少なくとも今は)合法的に出来ることや、大掛かりなポケモンの手術を先に練習したりもできる。
大抵の場合は脱出などをふせぐためクローンすると同時に記憶も消すことがほとんどだが、極々稀に記憶が残ることもある。
この話はそんなポケモンの話である……




「あれっ?」
なんでこんな所にあるんだろ? 覚えてる限りじゃへんな部屋で変な薬飲まされたけど。
「ここどこー?」
とあてもなく叫んだりすると、
「やっかましぃなぁ。ここはおまいみたいなクローンのポケモンの保管場所だよ。きぃどおまいは珍しいな。なんつったっておまいは記憶がある臭いからな。おまいはなんも知らんだろからちと説明すっと、いやめんどくせーな、長話は誰も聞きたくはないし。取り敢えずおまいはおまいの思ってる奴じゃあない、ソイツのクローンだ。普通は記憶は消されるが、おまいは運良く残っている、それにおまいはこれからひっでぇ死に方をすっから逃げたほうがいいな。」
「わかった?」
とわかってんのかわかってないんかよくわからずにわかったと言った。要するに逃げたらいいのか。
「じゃーね!、ありがとう!」
でもどうやって出よう?
「出たいならおまいの前のちっこい穴、そう、そこ、そっから出れる。頑張れよ。」
暗いトンネルをしばらく進むと外に出てた。やった! でも、僕って他の誰かのクローン?つまり僕に記憶はただの記憶。海を見たのも山を登った川に乗ってどこまでもいったのもただの記憶? 昨日やったこともただの記憶? 
でも、一つは確か、

ぼ く の 元 の ポ ケ モ ン は ど こ か に い る !…

探したら面白そう。そのポケモンは混乱するかな? 
待てよ? そもそも僕はそのポケモンの記録はあるから名前も知ってるし、生きてる場所も知ってる。
思ったより簡単そう。
名前は、オル。 じゃ、僕の名前はルオだ。
住んでる場所はホウエン、そもそもここはどこってわからないけど…?
道は長そうだけど頑張ろう。
そう長く歩かなくてもポケモンと会えるだろうとすこーし歩くと案の定ポケモンと出会った。
「どうも。いきなりですけどここって何地方でしょうか?」
そのポケモンは少し驚いたように見つめながら
「シンオウだけど???」
「ところでここからホウエンは何処でしょうか?」
2連続で質問は失礼だなと、流石に自分で思いながら聞くと
「ここからそう遠くない。ラプラスあたりにお願いすれば連れてってくれると思う。」
「ありがとうございます」と言って旅を続けた。
夜になって気づく、
寝る場所がない!
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■筆者メッセージ
なぜか二話目を先に書いてます。
この話が急に浮かんできて、書きたくなったので書いちゃいました。
キノコ13 ( 2024/01/30(火) 23:13 )