ふしぎな場所
「おーい、ラオスゥ〜〜!」
ある家であるポケモンが大声で誰かを呼ぶ。
「おーい、いるぅ〜?!」
「いるよいるよ。どうした〜」
家の中からラオスと呼ばれた一匹のナックラーがまだ眠そうに出てきた。
無理もない。まだ、ほとんどのポケモンはまだ眠っているのだから。
「あの〜、ちょっとこっち来て……」
ヘイガニは手招きをし、ナックラーにしか聞こえないように小声で言った。
「あの不思議のダンジョンの中へ、いかない?」
「え! でも禁止にされてるじゃん! 許可は取ったの?」
ラオスは驚きと焦りの混じった表情で言った。
「静かにして! いや、取ってない、でもパパは用事があっていないよ。それに準備はできてるよ。」
ヘイガニはバッグを見せながら言った。
「でも…」
ラオスは駄目な理由を考えたが、特に思いつかなかった。グラノには母親はいない、そしてラオスには両親二人ともいない。今行けば誰にもバレずに行ける。
「わかった。でも、少しでも危なくなったらすぐに逃げよう。」
「よしっ! わかってるわかってる。じゃあしゅっぱーつ!!」
グラノは行く気満々だったがそこでラオスはグラノを制して家へ戻った。
「いや、僕準備できてないから。ちょっとまってて。」
しばらくするとラオスが戻ってきた。
「準備できたよ。」
「今度こどしゅぱーつ!!」
二人は一緒に目的地へと向かった。朝が早かったおかげか、運のおかげか、他のポケモンにはすれ違わずにすんだ。
「ここかぁ〜」
ダンジョンの禍々しい雰囲気のせいか、グラノの出発したときの元気は失われていた。
「
行く? やっぱ戻ったほうが…」
「なにを言ってるの?! ここまで来たんだから行くしかないよ!」
二匹のポケモンは共に暗いダンジョンの中へと入って行った。