ひねくれものとおかしな生きもの - 第一章〜崩壊と出会い
章間〜幸せになる権利、死ぬ権利
灰色の天井を見ていた。

唯、見ていた。

宛もなく、唯、生きていた。

なぜ、生きているのだろうといつも思っていた。

そんな日々に手を差し伸べるかのように、

「どうせだったら手紙を書いてみたらどう?」

見知らぬポケモンが手の届かないぐらい高い牢窓(ろうそう)から言葉を投げ込んできた。

本当に好奇心だけでやった、はずだった。

新しい事に希望を持っていたからなのかもしれない。

唯、面白半分でやっただけなのかもしれない。

わからなかった。おかしいよね、自分で行動を起こしたってのに。

元から僕らは幸せになる権利なんてなかったのに。

どこかに希望的観測があったんじゃないの、と聞かれたら否定しきれる事も無いと思う。

このことを聞いて、みんなはとても喜んでいたから。

でも、結局、無理だったんだよね。力を使えないんだから。

どう足掻こうとも、地団駄踏もうとも、叶わなかった。あと一歩だったけど。

それぐらい何もない、ただ、(なぶ)られるだけの灰色の世界。

生きる事に意味があるの?って思っちゃたぐらい。てか思ってる、って方が正しいかも。

だったら死ねば、って思うと思う。

でも、人間らは死ぬ権利すら、僕らに与えなかった。

一度、本当に自殺しようとしたけど、止められた。

人間は道具を失いたくないぐらいとしか思ってると思うけど。

死ぬ事も出来ない。いわゆる生き地獄ってやつ。

死にたいと思っても死ねない。生きたいって思ってもただぼーっとしてるだけ。

だから、今が生きてるとも死んでるとも言えない。変な状況でしょ。

そんな灰色の世界に僕〜イーブイはいると思う。多分ね。

でも、どうしても気になる事がある。思える事がある。

僕らが書いた手紙はどうなったんだろう?

からげんき ( 2014/07/17(木) 12:52 )