04 諍い
「ショウヤ..」
「し、ショウヤ?!」
んなアホな。第一、俺の親父は死んだはず。
「お、おい、それ本気か?」
「これ以上何も言うまい」
突然のことにあまり考えられない。俺の親父がレジスタンス...?!イミワカンネ
「何も言うことはない、ですね?」
「ああ....(ドクン!!)っかぁっ?!」
「あらあら...ウソついちゃったんですか?」
アリサさんがドS全開なのは放っておいて、ガシャーーーz___ンという音と
同時にラルゴが苦しみ出した。
「ラルゴ?」
「いったろ...ぐぁ...失わない...って」
「え....マジモンか?」
「家族に...尻拭いは...させたく...ない..よ...」バタッ
「....いやいやいや洒落にならねぇから」
「ど、どうしましたかお客様..」
丁度いいタイミングで(悪い?)ウエイトレスがやってきた。
といってもここでさっきまで争いごとをしていたなんて言えるわけがないし..
「あぁだ、大丈夫...コイツアルコールに弱いだけだから...」
「え....いやこの店ではお酒の類は一切..」
「あーいやいや!!お菓子に含まれててもダメだから!酔っちゃったの!」
「そ、そうですか...では...」シタラバッ
何とかラルゴはアルコールにめっぽう弱いということでやり過ごしたが...
と、同時にレグがこっちを今まさに殺そうというばかりの形相でこっちを見た。
「...死んでないだろうな」
「えぇ、死にはしませんよ...ただ三日は目はさめませんと思います」
「....ホントか?」
「えぇ!」
ようやく腰の刀においていた手を離した。そしてその手はその後直ぐにラルゴを担ぐためにまた使われることになる。
「...言っておくが」
「はい?なんでしょう?」
「俺らを恨むのは勝手にしろ。でもな?俺らはそんな個人の勝手で....
報復や暗殺することはしない。それだけは覚えておいてくれ」
「頭の片隅に入れておきましょう」
「...まったく、本当なんだが...じゃあの」
ラルゴを担ぎ、背を向けた。周りは担いで出ていくという
異様な光景を目の当たりにしてもまったくと言っていいほど動じていない。
「....あー、連絡入れないとな」
レグは何か通信機のような物にいろいろとしゃべくりながら...店員にお代を請求されながら店を後にした。
「アリサさん...確かに言いましたよね...ラルゴ」
「...そうですね、でも案外嘘かもしれませんよ?現にラルゴ君があのさまですからね」
「...だといいんですが。」
でも俺の親父の名前が出てきたということは何らかの関係があることは絶対だし、
第一、だといいのだが、という後に続くことはたいてい悪いことだということは
どの世界でも相場は決まっていると思う。
「なんかすみませんね...勝手に巻き込んじまって」
「別にいいですよ...久々に楽しめたし...もうこんな時間ですし、帰りますか」
「あぁ..」
時間はちょうど七の針を指していた。
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「...ただいまぁ」
「おーおっかえり」
なんだか久々にユウの顔を見た気がする。家の中では、だが。
「あれ...レイアはどこにいった?」
「もう寝たぞ」
「あいかわらずはえぇなぁ」
今はちょうど九時ぐらいだった。最近やけに早い気がするが気のせいだろうか。
「....そういやぁ」
「ん?」
「お前、なんか隠してないか?」
「...何も?」
「いやその顔は絶対何か隠してる」
「だかっら何にもかくしてn」
いきなりユウの十八番、ブレイズキックが飛んできた。
大きなもの後がしたがすぐに静寂が返ってきた。そうして数秒立った後、
ユウはこう言った。
「...お前、嘘でも何でもいいがレイアちゃんを悲しませるような真似だけは絶対するんじゃねぇぞ」
「....悲しませる?」
「最近元気がねぇんだ。...いつも通りの場所にいるからな。俺は今から少し出かけるが
絶対手は出すなよ?」
「...それってどういうことだ?」
「つまりそういうことだ」
ようやくけりこんだ足を戻して足早に出て行った。心なしか、威力が前の比になってない気がした。
「いつもどおりの場所...か」
俺はその場所に一歩一歩、足を運んでいく。周りは静寂のままだった。
ギィ...とドアを開けて、そこへ進んでいく。
「レイア...?」
いつもよりだいぶ抑えた声でそう名を呼ぶ。
「...すまねぇな..最近構ってやれなくて」
「...何よ」
と、声がした。
「どうでもいいよ、そんなの..」
「..悪気なんかねェんだ」
「悪気があってもなくても関係ない。今度は私の番よ」
「...そうか」
俺はかかってた毛布を素早くめくってやった。しめしめ。
「な、何すんのよ!」サバダラッ
「お前の番はないぞ...ずっと俺のターンだ」
「...『ふぶき』!」
この技は相手の動きが遅くなる技。でもあいにく相手は俺だ。
そんな程度の技じゃあ全然聞かないんだなこれが。
で、俺はそのままレイアに抱き着きを決め込む。ここまでの流れは
完璧だ。あとは思ってることをクソ正直に言ってやればいいだけだ。
「別に嫌われても関係ねぇ。お前が俺のことをどう思っててもいい。
俺が...」
「うるっさい!」ゲシゲシ
足でけられて上手く言葉を言い表せない。体で表現?お、そうだな...
じゃ俺も体で表すことにしよう。行動に移す。この状態で体の温度を
ぐーーーーんとあげてやろう。
「...ぁ、熱い...」
「そうだな...俺があげてんだからな」
「どいてよ!熱いってば!」グイグイ
「抵抗しなくなるまでやめない」
どんどん部屋の温度が上がっていく...のは当たり前だが、なんだか別のとこで熱くなっている気がする...たとえば感情とか度が過ぎているとか。
「っぁ...ぁつぃ...ゃめて..」ヘロッ
「...今しか正直に言えないから聞いてくれ」
「ぇ..?」
「俺もお前と同じ気持ちなんだ。この立場でいえたことじゃないけど...」
「....」
「...おれはこういうことを平気でする。ちっちゃいころから
ずっといっしょでもお互いわからないことがある。きっとこれからも何しでかすかわからない。」
「....」
レイアはずっと黙りこくっている。
「いつになるかわからない。それでいてまだその気ならそうしてくれ。もっとも俺が
それ以外のやつにそうはさせないからな」
「...そう」
「....あぁ。」
「...わかった。許しがたいけどそうする。私だってそれ以外の気にはならない」
「...コンクラーベだな」
「私の勝ちね」
「...どーだか。っていうかこんなに積極的なお前も久々に見たな」
「あんたが変わらないうちにそうしてやるんだから。覚悟なさい」
「こえーなぁ...」
修学旅行の時のようにしばらくそういうやり取りをしていた。変わってることと言えば...俺たちの戯れを邪魔する先生が存在しないことか。
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「...今呼び出すとか...俺の気にもなってくれよ親父」
「そうか?ここの警察はブラック企業だぞ?」
「知ってる」
ユウは一つなんとなく深呼吸をして....こういった
「何か用でもあったか?」
「.....ヨウガやレイアにも伝えてほしい。」