03 to play cards?
「じゃあおっぱじめましょーか!」
「ん」
「おいおいラルゴ負けんなよ?」
「(たのむアリサさん勝って俺の貞操守って...!)」
果たして俺の貞操は無事守られるのか...?
「そっちから変えておっけーですよぉ」
「ん」スッ
ラルゴはクローバー7(以降クローバーをクロとする)とダイヤJを出した。
割と至って普通だ。
「じゃ私も」
アリサはハート5とハートJを出す。ここで少しラルゴの顔がくもった。
「少しお話してもよろしいですか?」
「構わない」
ラルゴはクロ5を出す。
「私、ある方のもとで育ってたんですよ」
アリサはハート3とスペ5を出す。
「でもその方はある日突然いなくなってしまったんですよ」
「ん」
ラルゴはスペQを出す。そこで少しニヤけた気がした。
しかしそんなにやけも直ぐに消されるとは知らずに...
「その時なんですがね、何か部屋に落ちてたんです。血濡れでしたがね」
「ん」
アリサは力強くダイヤQとダイヤ2を出す。それと同時にあるワッペンが出された。
「ーーー!!」
「なんていうか...部隊っぽい何かですね」
ラルゴの手が止まる。
「これ、知ってますね?」
「...ああ。知っている」
「ん」としか言わなかったラルゴが初めて他のことを言った。立て続けにこう言う。
「だが教えるわけにはいかないしそもそも、だ。教えられないんだよ」
「....と、いいますと?」
「...CALL」
「そういうことですか。」
ここでラルゴがコールをかます。いい札でも揃ったのか。アリサは...
「...まだ私の変える権利が有りますので。」
アリサはダイヤの5と4を出す。そしてカードを2つ貰う...
「ではやりましょう...で、本当にそれで宜しいので?」
「ああ。」
ラルゴがパッとカードを出す。
「....フルハウスだ」
「さすがラルゴやで」
「まっじで?!」
ダイヤ以外のA3つ、スペ6、ダイヤ6...ラルゴのやつ、フルハウスを出しやがった。
「...残念です...」
「ああ。どうやらお前の念願は...」
「格下の相手をこうも容易くやってしまうって...私ってば大人気ない」
「...どういうことだ」
まもなく、ここの空気が凍ることになるとは夢にも思ってなかった。
「私ってね、王様が好きなんですよ」
「何が言いたい」
「でもこうも王様に好かれるとやっぱ悪魔でもついちゃうんでしょうかね」
「・・・・!!!」
全てのKと悪魔....JOKERがアリサから放たれた。
・・・・ファイブカードだ。
「....悪魔って一体ナニを呼ぶんでしょうね」
「....皮肉だな」
アリサは悪魔の力を借りて勝利した。
「アリっさんありがとおおおおおお!!」
「...逃げていいか」
「ラルゴぉ?!」
ラルゴはため息を大きくひとつ放ち、
席をたとうと....した瞬間だった。
ズキンッ「?!...ごぁ..?!」
「お?!ど、どした?!」」
突然、ラルゴは胸を抑え苦しみ始めた。
「あ、いい忘れましたが逃げようとはしないでくださいね?そういうカードですから」
みればそのカードは黒く光っていた。
「そういうことで話してくださいません?知ってること洗いざらい」
「....いわくつきのカード、か...」
「あららら...」
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「といってもほんとに知りたいのは部隊の名前とそれの存在する場所、知ってる範囲での生い立ち...」
「....」
「そして俗に言うBOSSの名ですかね」
アリサ姉さん素敵。濡れるッ!
「....俺はこれに答えなかったらどうなる」
「死にますね」
「...まぁまずこれを見ろ」
ラルゴは自分の服の裾をまくりあげる。そこに現れたのは...
「...焼きですか」
「あぁ...二回、やった」
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ーーー俺には家族がいた。確かにいたんだ。....ある日、俺の目の前には深紅の世界が広がっていたんだ。恐怖した。俺は逃げたよ。
逃げた先で俺は強くなった。まだ体を失ってない。俺はどんなことだってしたさ。
時には自ら深紅の世界を創造することさえあった。..誰も俺に近づかなかった。深紅の世界を望む者以外は。
俺は孤独だった。でもそんな時、扉を開いた..開いてくれた人がいたんだ。
楽しかった。そういう時間は早く過ぎる。俺は家族を得たがまた失った。
すっかり荒らされた俺は自暴自棄になって....気づけば焼き印を入れられていた。
体さえも失った。何も考えたくなかった。
地下で労働を続ける日々だった。
また誰かが近づいて来た。フタチマルだった。気さくに話しかけてくる。
もう何も失いたくない。俺は何も聞かなかった。
ソイツは来る日も来る日も話しかけてきた。
放っておいてくれ!!俺は拳を振り上げる。そいつは逃げなかった。
どうだ?自分の気持ちを外に出した気分は? うるさいッ!!
俺はいつしか泣いていた。そいつの胸の中で。
まだ心は失ってなかったようだった。
爆発が起きた。何事かと思った。フタチマルはこう言った。
空を見に行かないか、と。俺の体は勝手に動き出していた。
〜いたぞ!〜
〜ああっ!!〜
ガガガガガガガ...
〜お、おい...!〜
〜へへ...なんとか、だ、な...〜ドサッ
〜残りも殺れ!!〜
〜ックソがああああっ!!〜
...うまくいった。うまくいったんだ。お前がそんな姿になってしまう事以外は。
胴体に風穴が開いた体で、お前のせいじゃない、お前のせいじゃない...と。
俺は大きくなった体でただ奇跡が起きることを祈った。
やがてまた誰かが現れた。
そいつの傷は大丈夫だ、と。
一体なにをもってしてこういっているのかわからなかった。
そいつはそういって風穴だらけの体を運ぶ。俺は後をついていく。
ヘリの中、懸命の処置がされて...何とか無事だった。成長を犠牲に。
俺は感謝した。そいつはこう言った。
〜二人ともうちに来ないか、と。〜
そいつは問題ないよな、と確認をとる。どうやらサンダースやリザードンも
異論はないそうだった。
毎日戦場へ行ったりした。深紅の世界もいくつも作った。でも今度は孤独を感じることはなかった。
暇ならバカやってたり酔いつぶれたりしているやつらを横に笑っていた。
ケンカもした。俺は失った。でもまた得たんだ。家族を。
昔の自分はもういない。その刻印も焼き直した。
ただ失うのはもう飽きた。今度は守り抜く。そう俺は誓ったんだ。だから...
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「ーーー失いたくはない」
「??」
「失うわけにはいかない」
「何をです?」
「だから答えるわけにはいかない」
「別にいいですが...死にますよ?」
アリっさん悪魔全開。
「もういい、ラルゴ。話せ。」
「で、でも...」
「俺だって失いたくない」
「....」
ラルゴは深呼吸を大きくした。そして....
「海の上、翼亡き天使、ユダ。」
「まさか今のが答えですか...でも嘘なら死にますよ?」
死にますよコールで煽るアリっさんはまさに悪魔のようだった。
「せめてユダの本名でも教えてもらえませんかね...」
ラルゴはレグとアイコンタクトをとる。そして...
「ユダ...いずれこいつの前で話そうと思ってたが...」
俺を見ながらこういいはなった。
今思えば聞かなければよかったのかもしれない。
「.....ショウヤだ」