01 ドールクリスマス
オッホッホオオォォォォ!メリーーークリスマス!!!
なーんて、サンタさんが言いそうな日があと少しに近づいてきた
今日この頃、駐在もものすごくにぎやかになっていた・・・
ん?にぎやか・・・・・・??
「駐在のオッチャン!お菓子ちょーだい!!」
「甘いお菓子ちょーだい!」
「はいはい押さないで押さないで!」
ヨウガがなんと駐在付近でお菓子を配ってるではないか!!
ありえん。断じてありえん。
「おいヨウガ!さっさとツリー建てる準備しろよ!」
「とどかないですよ〜ぅ・・助けてくださぁ〜い・・」
ユウが脚立を上ってツリーを立てる作業をしている。
一方のリラはなんと一番高いてっぺんの☆を取り付ける作業をしている。
が、背筋ピーンしてもあと少しで届かずとても苦戦している。
さて、ここまで来たらわかるだろう。
・・・・レイアはいずこ・・・?
「レイアちゃん、そこ、指切らないようにね!」
「あ、はーい・・・ぎゃ!!!」
いました。駐在特設キッチン(ただのキッチン)で料理をしていました。
今回は指導員としてメルガがついていた。
が、どうもうまくいかず、注意したそばから指を切っている。
トンデモ女とでも言ったところかわっはっはざまあみろ。
「ふふっ・・そんなんじゃあヨウガのお嫁さんに行けないわよ?」
「な・・・?!」
ブシャアアア!!何が出たかは想像に任せよう。
「あっ!大丈夫?!」
「え、ええ・・・」
「そこのソファで少し休みなさい・・プッ」
「笑わないでください・・・///」
で、言われるがままにソファに横たわる。
ファサっとね。んでレイアはふと、これから飯が並べられるテーブルをみた。
ウホッ、いい飴玉・・と、誘っているばかりに無造作に置かれている。
「ハッ・・・!!」
きょろきょろと周りを見て・・・・・
誰もいないね?居ないのね???
・・・よし。
「いざ実食!!!」パク
「わぁ〜〜・・・おいしい飴玉!」
と、舌鼓をうってその飴玉をなめる。
舐めれば舐めるほどおいしい甘みがしみだしてくる。
モモン味、そういったところか。
そこまではふつうの飴玉だった。
しかし・・・
「うっ、・・・か、体が熱い・・・?!」
そう感じて間もなく、自分が縮んでいくような感覚がした。まぁ少しだけだけど。
そして・・・
「・・・・?!・・肌が・・?!」
なんと肌が布のようなさわり心地になっていった。
頭がガンガンしてとても痛い。
「や、だぁっ・・・ヨウガ・・た・・す・・ぇぇ」
「おーい、レイア―?」
ヨウガの声がした。なんとか声を発しようとしたが・・・
(口が・・動かない・・・)
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「レイア〜?・・・おっ?」
ヨウガは床に落ちていたものを拾い上げた。それはなんと・・
「グレイシアのぬいぐるみか・・かわええなぁ・・」
(わ、え?私よ?レイアよ?!)
ぬ・い・ぐ・る・み★・・そう、
レイアはグレイシアのぬいぐるみになっていた。
大きさ?そうだなぁ・・・犯ヴァーガー四個分くらいかn(ry
「手のひらサイズもいいもんだなぁ」
大きさはちょうど手のひらサイズだった。記述の後悔?ぜんっぜんしてませなんだ。
そしてあろうことかヨウガは・・
「ちょうどいいや、レイアのプレゼントだ!胸にいれとこ!」
(・・・・・)
はああああああああああ?!
ギュッっとヨウガの胸に入れられる。臭そうだな・・
が、逆にすごくいい匂いがした。
おひさまのにおいといったところか。
(あれ?!・・・いい匂い・・!)
頭の中でブンブンブンと首を振り、いや、どうしよう?!
そんな感じですっごく混乱していた。
でも暖かい・・眠っていいかな・・・?
「おいヨウガ!買い出しいってこい!!」
「ん?あーはいはい・・」
「ユウさあああぁぁぁん!!」
ヨウガは自分の胸にグレイシアのぬいぐるみ〜すなわちレイア〜
をいれたことを忘れ、チャリをこいでいった。
気がつくと、ぬいぐるみことレイアは野に放り出されていた。
きがついたときはどんな状況かわからなかった。
が、次第に雨が降り始めた頃、夢じゃないということがわかった。
ぬいぐるみとしては早く雨の当たらないところに動きたかった。
が、ぬいぐるみはぬいぐるみ、動くことはまんざら出来なかった。
(どうすればいいの・・・?!)
雨が体に染み込んでくる。本当にヤバい。しかも
もう時間も夕方。夜にでもなったらきっとカビてバラバラになって
タヒるだろう。そんなみっともないオワリ方なんて私は嫌だ。
ムキになって体を動かそうとするが、その試みは虚しく、時間だけが過ぎていった・・
「おい」
「んあ?」
「レイアちゃんは?」
「・・・帰ってこねぇな・・」
「わ、私心配ですので思い当たるとこ探してきます!!」ガラガラバタン!
「本当に遅せぇぞ・・」
なにしろ、もう夜の11時だったのだ。そりゃあ心配するわな普通。
「ヨウガ・・・」
「ああ。俺もヤベぇ気がしてきた・・」
そして河原近くをチャリで走りながらレイアを探している。
「レイア〜?!何処だ〜〜〜〜?!」
今は大雨。ついでに言うと季節外れの雷もゴロゴロなっている。
そんな超悪天候の中でもヨウガは必死にチャリをこぎまくっている。
「何処だ〜・・<ガタン!!>なっ?!」
チェーンが外れた。横は坂。その奥には川。何が言いたいかって?そりゃあ・・
相当マズイっていうこっちゃ。
「うわああああああっ!!!」ガシャンガラシャアアアン!!!
「イヂヂ・・くっそ、こけちまった・・ん?」
前を見てみる。すると、あのときのグレイシア人形があった。
「あ、こんなとこに落としてたのか・・」
「・・・・・」
「帰ってこいよ・・・・」
自分の額と人形の額に当たる部分を擦りあわせた。今は帰ってくればいい。
怒るのはその後。で・・・
(私のことをそんなに・・・いや、ここにいるよって!!)
心のツッコミ。
「・・・はぁ・・」
(ん・・・なんだろ、すっごく塩っぽい雨だな・・・)
液体系のものは染み込んでくるからすぐに何か分かる。が
いまのは何とも表現しがたいうましお味の水がふってきた。
・・・・できてるね、表現。
(くっ・・・?!また体が・・!!)
今度は焼けるような『痛さ』だった。
しかしどんどん大きくなってるような気がして・・・
「お、何々何?!」
ヨウガも驚いた。だってぬいぐるみが大きくなってんだもん。そして・・
ボン☆「わあっ!」
「レ、レイアぁ?!」
なんとポケモンに戻れたのである。あーよかったよかった。
レイア側はそれで話が終わるがヨウガは・・・・
「どこいってたんだ!!心配したんだぞ?!」
「ひう?!」
いきりたった怒声。当然だ。深夜になっても帰ってこない。
そしたら誘拐でもされたんじゃないかとか、いろんな心配がある。
「で、でも・・!」
「よかった・・!」ギュ
「・・・?!?!?!?!」シュー・・・
「・・・ん、冷たいなあ・・・あ¨、お前びしょ濡れじゃん!!」
「あ・・・・」
「ほら貸すぞ!」バサッ!!
「あ、ああ・・・」ハオリッ
夏全開のジャケットを着せられる。
真昼とおんなじ、いい匂いが漂ってきた。それから流されるがままに
チャリに二人乗りになって帰っていった。・・・もちろん、後ろのレイアは
当然ながらヨウガにしがみつく。
べ、別にこれはハグじゃないんだからね!!
なーんて思っているレイア。
見つかってよかった・・・
って思ってるヨウガ。
その頃にはすでに雨は上がり、雪が降っていた。
家に帰り、リラが寝て待っていた。
夕食じゃなくて、夜食になってしまう。そう判断したヨウガとレイアは
リラを抱き上げてそのままベッドへ行き、一緒に寝たらしい。
「ぐおーーっ、がおーっ・・・」
「スーッ・・・スーッ・・・」
「zzz・・・zzz・・・」
トンッ「メりークリスマス!早いけどスミレサンタのおでましだ〜!・・」
もちろん超小声。
「はいこれヨウガ!これがリラで・・・コレ、レイアの!んで、ユウ・・・あり??」
キョロキョロ、と再度誰も起きてない、回りに誰も居ないことを確認して・・
「ユウは何処にいったんだろ・・・?ま、おいてくだけでいっか★☆」
滝の崖っぷち。深夜からの呻き声。しがみつくモフモフ。だーれだ?
「たすけてくれええええええええぇぇぇええええ!!!!」
☆おしまいっ★
・・・・・このお話がだよ?決して物語がおわるわけd(割愛♪