16 退屈であまぁい一日
「腹、へったなぁ・・」
私はそう思って最寄りのマクタードーナツ、愛称マクドへいくことにした。
ドーナツ屋とはいえ、ここは何でも売っているしあげくには
その店の中で食べる(飲食店のように)ことも可能である。
私の元々いた世界での「カフェ」といったところだろうか?
・・・店独特のあまぁーい香りが扉を開けるとむわっと漂ってくる。
これこれ。この瞬間が一番好きなんだよ。
ガーッ「いらっしゃいませ〜!・・・あっ、アリサさんじゃありませんか!」
「あ!こんにちはぁ!もう私常連ですか?」
そういって私が受け答えしているのはこの店の定員のコジョンド。
この方がおっしゃる通り、私はもう常連。何回ここに来たことか。
・・・いい忘れた。この都市はヨウガさんの入院してる病院も近いし
色々な店がでっかい道路(リアルでいう国会の前の道路並み)越しに乱立してたりする。
この店もその一つ。
実はその・・・なんだっけ・・・・あ、ほら、彼処に座っているウインディ。見える?
あの人が勤務しているような警察の本部っぽい所があったりする・・・
ってあの人?!
「おぉぉーい」
「ん、俺?」
「あなたヨウガさんの父親さんでしたよねー!」
「おう、で?」
「どうしてわざわざこんなとこに〜?」
「コーヒー飲んで仕事してた」
「あ、そうですか」
一通り会話を済ませて私はケーキや今が旬だったりする色々な洋菓子が
並んでいるところに来た。いやー、いいにおいだ。
実は私が大学に入って一番世話になったとこと言えばここかもしれない。
だっていろんな洋菓子がいかにもこれ見よがしにおいてあるんだもん。
早速私は一番美味しいと私が勝手に格付けしたケーキを1ホールぐらい、
癒されるモモン:オレン=1:9の特製ティーを特別に頼んだ、というのも
来店回数100回を越えると秘密でこういうことができるようになる。
私は一番いいと私が勝手に格付けした席を・・・あのウインディ、やりおる。
仕方なく二番目の席に座ることにした。
「いっただっきまーーす!・・(パク)・・・うまひ〜・・´∀`」
至福の一時。誰にも邪魔されず、ゆっくーーーーり過ごす。
特に3日何も飲まず食わずで彼を観察した後だったから余計美味しく感じる。
と、ここであの人が話しかけてきた。
「そう言えばお前、すぐそこの大学を首席で合格して首席で卒業したんだよなぁ」
「え?・・・あぁそうですね、で?」
「いや・・・あんただったらこれがわかるんジャマイカと思ったんだが?」
「え〜?どれどれ・・」
スッとウインディの持っているINDROID製のRAY-PADを見てみた。
・・・楽勝、はっきりいってわかんだねこの程度。
「ここが3、でここが9、ここをこうして・・っと」
俗に言う『のうとれ』をやっていた。
ティロリーン「おぉ、出来た」
「ね?簡単でしょう?」
Lv.89だった。ま、簡単だがね。
「すげぇなお前・・・うちの分析課に入らなイカ?」
「ヤです」キッパリ
「アッハッハッハ・・・ですよねぇ」
彼はそう笑って珈琲を飲んだ。
あの珈琲、あまいにおいがする。
「貴方も甘党ですか?」
「え?ばれた?」
「だってその珈琲、めっさあまいにおいがするんですもの」
「あぁ。角砂糖15個は入れてる。」
紅茶を噴出しそうになった。いくらなんでも多すぎでfa・・・
ちなみに私は9個入れている。
「相当ですね」
「そうかなぁ?・・ほら、昔は甘いもの手に入らなかったろ?戦争がどーたらで」
「・・・そうかなぁ?」
「知らんの?まだ物心ついてない時期だったか?だいたい・・・」
ちょっと間が空いて答えた。
「20年前ぐらいかな?俺そんとき16だったもん。はうおーるどあーゆー?」
「あーー・・・あいむてぅえんてぃつーおーるど。」
「じゃあまだ2歳か・・・ま、知らなぬもはっけ、だな」
「ふふっ、面白いですね。」
「そろそろいくかな・・あ、時間があったらヨウガに会いにいってくれねーか?
暇っぽいし」
「お断りしますん」キッパリ
「ははっ、ま、時間があったらまた今度・・・」
じゃっ、といって彼は帰っていった。
聞こえてきたのはお代が310円で、10円たりねーどーしよーっていった声か。
・・・・お、つけになったらしい。あの人も常連?
気が合いそうだし、今度こえがけしてみようか?
私は時計の針が短い方が11、ながいほうが3を指すまで楽しんでいた。
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「あ〜お腹いっぱい♪」
店を出たのは丁度閉店時間の11:30ごろだった。
さて、かえるのも一苦労。私の家は郊外の田舎にあって、簡単に言えばアパートだった。
ま、引っ越しも近いし、今度はでっかい大木のような家だし・・
機械があれば写真でも・・・って白黒しかもってない。今度買いにいこう。
まずは裏路地を・・・・
ドンッ「あ、ごめんなさいねぇ」
「あ?」ギロ
あ、ふりょうのおにいちゃんたちだ。
「んだ?こんな時間に」
「お?いい女じゃねーか」
「やめてください私まな板です」
あーあ、絡まれちゃった。誰か助けてくれないかなぁ。
まぁお金で解決すれb・・・・あっ
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「お代金は10000円になりますー」
「はーい(うわ、10430しかなかったし・・セフセフ)」ポンッ
「また来て下さいねー」
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430円しか持ってない。一生の不覚。にしてもなんて地味(43だけに)な
有り金だろうか。
本格的に体がヤヴァイ(意味深)
「おら脱げよ」グイ
「うわーへんたーい(棒)」
悲鳴を上げてみた。まあ都合よくは来ないだろうと思ったが。
「はぁーいそこのならずものたち」
「「なんだぁ??」」
あれれ、さっきのウインディさんじゃないですかやだー。
「おとなしく逃げなさーい」
「おい、やっちまうか?」
「金持ってそうだしな」
標的が変わった。体も解放されたし・・・よし逃げよう。
で、私はぎょっとした。
「大丈夫かねお嬢さん」スゥ
「うわぁお!!うぇ、うぇ、前から?!」
後ろを見てみた。なんかさっきのおにいちゃんたちが倒れてた。
ってうわぁ、「かべどん」してきたぁ。
私おんなのこよーやめてよー。
「夜中の一人歩きはいけませんね・・?」
やだ、すっごいいけめん。香りもいいし・・・うぇ、顔が近い近い。
やだ・・・私おんなのこじゃん・・・
グッ「あり?」
「総官、ツケを払い戻しにいくだけですよね?」(暗黒微笑)
「メ、メルガくんこれはちょっとしたあれでね・・・」
「あれってなんですか〜・・・?」
「うわーやめてこわいこわい」
あぁ、この人警視総官だったんだ。・・・道理で強い訳だ。
「うわーーかえりたくねぇよーーーー」ズルズル
「残りの書類、ちゃっちゃとやっちゃって下さいね〜」
・・・・なんだったんだろ、今の。
って、終電まであと数分じゃん?!急ごっと。
:・:・:・:・:・:・:・:・:・:・:・:・:・:・:・:・:・:・:・:・:・:・:・:・:・:・
「ふぁ〜帰ってきた〜」
私は帰ってきたとこで大きく背伸びをした。
・・・あぁ、私?キュウコンですが?なんでせのびかって?
うん、ここでは全員が全員二足歩行で歩いてる訳だよ。ホモサピエンスが
二足歩行したよーに。
気にしたら負けだよ。
そこから歩いて数分。あー帰ってきた、愛するまいほーむに。
「カギカギ・・・あったあった。」
がちゃり、ただいまー・・と。
帰ってきてまずやらなきゃいけないこと。株価のチェック。
「おー予想通り。」
よかった、落ちてなかった。
落ちていたら私の生活はどうなってしまうことやら。
っていうかいい加減ここの回りを掃除しなきゃ・・・引っ越すからいっか。
あ、そーだその時にヨウガくんに手伝ってもらおうかなぁ?
「あーつかれたー・・・ふろはいろっと」
裸になって鏡を見る。うん、いつものまな板だ。よかったよかった。
あったかーい湯船にそのまんまつかって・・・・え?何故湯船にはいれるかって?
・・そりゃあキミ、不潔じゃないか。いくら炎タイプとて、その程度はできるわい。
ブクブクと顔を湯船の中に入れて泡をたてる。脱力してくつろいで・・・
湯船にはオレンの実の皮を入れてるから回復効果もある。
あぁあ〜だめなんですぅ〜ゆっくりしないとぉ〜〜あぁ〜〜〜〜。
ゆっくりしたらあがって体を洗う。頭のモフッを丁寧に手入れをして、
九つある尻尾もフワフワを保つためにしっかりと念入りに手入れして。
勿論それ以外もきっちり洗う。終わるのはだいたい20分後ぐらいか。
この体で不便なのはこのぐらいだ。まぁ、寝るときぁ尻尾を抱き枕がわりに
したりして結構いいんだけどね、寝心地。
風呂から上がって、体を30分ぐらい乾かし、ICHIGOオレを飲む。
っかぁーーーっ!!さいっこう!!
「明日の天気は・・(ピッ)・・・晴れ?」
気象情報を見て、歯を磨いて、あっという間に短い針は1をさそうとした。
「・・・・寝ようっと」
だぁれもいないどこで電気を消して、おやすみーと言う。
あーー・・・・明日はいい一日になるといいなぁ・・・
窓からふと外を見ると、きれいなおほしさまがキラキラ光っていた。
ホシナタ・・・かぁ・・・zzzz
〜その頃〜
「終わんなくね?コレ」
「頑張りましょ・・zzzz」
「頑張れよ、ガイさん・・zzzz」
「ちょ、薄情な!!」
外を見ると、きれいな星が・・・・うう、寝たい・・・。