14 戦いの果て
・・・・ここはどこなのか。
見渡す限り何処までも真っ白な地平線が続いて・・
「うわ、真っ暗」
なかった。なんか後ろがお先真っ暗状態。
「真っ暗なとこにゃいきたかねぇな・・ってかここどこだし」
ユウは小一時間この場所にいるが・・いまだに場所がわからない。
「えっと・・・確か俺、ラルゴにボコられて・・・ま、いいや。とりま真っ白なトコに進むか」
そう考えて真っ白な場所へ進んでいく。
なんかすすむにつれて体が軽くなっていったり。
そもそもボコボコにされたなら体は傷だらけなはず・・・?
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「おい!イカれギザ野郎!!ぜってー現行犯タイーホしてやるからな?!」
「・・・・・逃げてろ」
「こんなの、一人で大丈夫よね?」
「こんなの・・・って、てんめぇええ!!」
「・・・・いいから逃げてろ。」
「負けない・・よね」
そういって物騒な装備をわんさか持っていたリーフィアは逃げさっていった。
え?なぜ逃げたし。
「何で逃がした?」
「お前には関係無い」
「(´・ω・`)」
そしてその会話を境に、イカれギザ野郎の雰囲気が豹変した。
「波導を使うまでも無い・・・!!」
(来るか・・・?!)
「遅い」シュッ
「・・・?!」
なんて奴だ。先生の話をよく聞くよりももっと集中して奴のことを見てたのに
いつの間にか後ろに居やがる。
「・・・オイオイ、種も仕掛けもないのかよ・・・」
「しゃべる暇なんてあるのか?」ドンッ!!
「うぐ・・!!」
もろ溝うちイッパツ。油断(というか相手の速さに絶望)していただけに
何もパンチに備えてなかったわけでとても痛い。
「蹴り喰らえッ!!」
(脳筋・・いいだろう)
「正面から来いっ!」
「うぉらぁ!!」
ルカリオことラルゴは簡単に受け流せると思っていた。
そう、『思っていた』のあとに来るのは決まって・・・
バッシイァ!!!
(ぐぁ?!)
形勢逆転の攻撃なのだ。
「親父直伝だ!!」
「親父・・・ww」
「何が可笑しい?!」
「あのぶっきらぼう犬直伝だ・・?!冗談もいいかげんにs
ズガァン!!
「親父を馬鹿にすんなクソ野郎・・・!!!」
「・・・!!」
(早い・・・今までとは格段に違う!!)
少し後退したユウはこういい放った。
「なんだかんだ言って波導、使ってんじゃねぇか!!」
「・・・・・・・」
(思わず使ってしまったか・・)
「来い」
「・・・・んだよギザ」
「手加減ナシだ・・!!」
「それじゃあ遠慮なく行かせてもらうぜ!!」ビュンッ!!
頭に一発決めてやるつもりでいた。しかし・・・
「・・・・・?!」
ユウは宙を舞っていた。
何の痛覚もなかった。
ーーーーーー『勢殺』!!
技のやり方というと・・一見は只の合気道であるが、
相手の攻撃が首辺りに来たら体全体を使って相手の攻撃を受け流す上、
空中に放り投げるという・・・・
どうみても普通の合気道です本当にありがとうございません。
いや、明らかに普通の早さではない攻撃を受け流したあたり、
ラルゴは相当の腕前を持っているといえるであろう。
「そぉら!!」バァン!!
「ぐぉ?!」
思いっきり地面に叩きつけられた俺。
うわぁ、頭がぐわんぐわんする。
しかし攻撃は休まる暇もなく・・・・
「ふんっ!!」バシッ!!
「くっ・・!!」
また腹に一発。
「くっそ・・・!!」
もはや立てる気力なんてなかった。
意識なんか簡単に手放せるだろう。
「で?もう終わりか?」
「ぐぁぁあ・・!!」
普通に重い俺を片手で持ち上げる。そのあとにやることはただひとつ。
「頭冷やせバカ」ブンッ!!
「ーーー!!」
思いっきり投げ飛ばされた。お空を飛んでるみたいーーーいや。
本当に飛んでますがな。
バガァン!!「・・・・くぅ」
「終わった・・・」
そのまま立ち去るラルゴ。
まだ勝負は終わってない。
なのに立ち上がれない。
勝ちたい。
ーーーーーーー殺る!!
「うあらぁあぁぁ・・・っ!!!」
諦めずに勝負を仕掛ける。しかし。
「・・・よちよち歩きじゃないか」
(精神は親譲り、か・・・。)
(俺にも親父がいたのかな・・?)
「正直に言おう。・・・結構楽しめたぞ」
「・・・なっ」
消えた。目の前でまた消えた。
さっきまでの速さとは違う、
『瞬間移動』したかのような感じだった。
『ソウルマシンガン』
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「ん・・・思い出せねぇや」
ここで意識はブラックアウトしていたようだ。
「・・・・つええなぁ。やっぱし無理だったか」
後悔しても時既に遅し。
というか何度も言うようだがここがどこだかわからない。
「・・・とりま、歩くかぇな」
真っ白いとこにいく。いや、お先真っ暗なとこなんて御免である。
ていうか生まれつき暗いところは怖い。
しかし・・・・
(ユウさん!ユウさん!!戻って・・!!)
「ん?リラ?」
確かに声は聞こえてきた。声の主はリラだったが・・・
なんで叫んでるんだろうか。
戻ってこい?意味がわからない。アイドンノーワッチュァミーンである。
しかし真っ白なとこにいくにつれ声は遠ざかっていく。
「・・・・不味いやつか、これ」
真っ白なとこにいくにつれ声は遠ざかっていく。ということは
俺は逝く階段を上っている・・・・
ということは・・・
「・・・・・うわぁ」
黒い場所にいかなければならない・・・
「・・・・勘弁してくれよォ!!!」
俺はそう叫びながら黒い方へ全速力で
走っていった・・・。