10 奇妙なスイリ前編
「えーと・・・まず私にはアリバイがあってですねー・・ね?リラさん」
「え?ああ、そうですよ!僕らと一緒にいたんですもの!」
まずはホシナタが自分にはアリバイがあることを証明した。
「いや、リラさんが嘘をついている可能性が高い。
初対面なのに信じられるわけがないだろう」
と、ヒロセが言う。確かに、初対面で信じられるわけがない。
「んー・・・それについては俺が保証しよう」
カズヤが名乗り出た。
「リラの言っていることはシロだな。俺、一緒に聞いてたから」
「き・・・聞いてたんですか?!」
「ずいぶん楽しそうだったじゃないの」(黒笑
「あー・・・いえ・・・あー・・・ごめんなさい・・」
「と、いうわけで誰が何と言おうと私はシロ・・・次に
犯人捜しでもしましょうか」
と、そうホシナタが言い出す。まぁ犯人が見つかるに越したことはないだろう。
「で?どうやって見つけるんだ??」
「確かにな・・・証拠がなけりゃあなんもできなしなぁ」
「『証拠』なんて・・そんな生ぬるいものは必要ありません。
あえていうならフレンチトーストに蜂蜜をかけるぐらい不要です」
((な ぜ そ れ に 例 え た し))
ここにいる全員がそう思った。確かに正論ではあるが・・・
証拠がなければ犯人を捕らえることができない、
第一ヒントもなしでこんな推理ができるわけがない。
某少年探偵やじっちゃんの孫ならそんなの関係なしに勝手に推理を始めるが・・
そしてホシナタの推理が始まった。
「ぶっちゃけて犯人から逝っちゃっていいですか?ヨウガさん」
「いや・・・勝手にどうぞ?」
「では・・・まずですね、これは『共犯』の可能性が高いんです」
「へー・・・で?」
「そんな爆発を起こして、その隙に誰にも感づかれず刀をとって、
また素早く私のバッグに入れる・・・一人ではできっこありません」
「何故だ?例え一人でもバックには早く入れられるだろうに」
そうヒロセが反論した。するとホシナタは・・・
「だって・・・・私のバック、
お菓子がいっぱい入ってるんですもの」
「「ファッ?!」」
そこにはお菓子がぎゅうぎゅうづめに詰め込まれたバックがあった。
驚くのも当然、一人で食べきれる量じゃないからだ。
「いやー・・わたしは食いしん坊でして・・・///」
「い、いや、だれが刀を見つけた??」
そうシラギがいう。確かに。見つけたならなぜ不思議がらないんだ?
・・・・ホシナタのバッグを。
「あ・・・俺だわそれ」
「ユウ、お前か」
見つけたのはユウだった・・・なぜ見つけられたかというと
なんかなんとなくバッグがあったかららしい。
「っていうか犯人言うんじゃないのか?!」
「あ、忘れていましたヨウガさん」
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「犯人 の一人目 は・・・」
「^p^」
誰もが息をのむ。
「・・・ヒロセさん、あなたです」
「お、俺っすか・・」
「だって『現場検証』ったってどこを調べるんですか?ww
っていうかあなた途中、庭で屈んでましたよね」
「で、でも爆発が起こったときはおれは「居間にいたんですが・・・」
「あなたは聞くところ地震っぽい技が得意そうじゃないですか」
「だからどうした」
「えーとですね、まず爆発したとこの後を見てみたら・・
よくある手ですね、ナトリウムっぽいものがありました。
ナトリウムが爆発するには水が必要、ナトリウムの金属が爆発するには
水が必要ですから・・・・
それを利用してコップの中に入れた水を地震で落とし、
どっカーン、というわけです」
「・・・!!」
「代替見当はついてるんですが・・なぜこんなことを?」
「・・・・い、いや、俺は指示通りにやっただけで刀は盗んでないぞ!?」
「いや、だから何故??」
「う〜・・・・実は・・・・」
「(ジンさんの菓子のつまみ食いをバラすってな・・)ボソ」
「ジンさんのお菓子のつまみ食い?」
「だあっ!大きい声で言うなぁ!!」
「お、お前かよ?!お陰で俺が疑われて半殺しの目に遭ったんだぜ?!」
たかがお菓子、されどお菓子、お菓子の恨みは大きい。
半殺しの目に遭ったヒロセは当然怒った。おこだよ?
「野郎ブッ[ピーーーーーー]やらああぁぁぁぁあああ!!」
「さぁぁせぇぇぇぇんっ!!!」
「・・・・ほっといてよかですか?・・・レイアさん」
「ふぇ?!あ、うん大丈夫だと思う」
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「で、まだ犯人はいるんですが・・・」
「うぇ、じゃまだこの場にいるのぉ?」
さっきっからずーーーと立ってて疲れたヨウガ。
推理小説じゃああるまいしそう簡単にことが進む訳じゃ・・
「アイさん、あなたもです」
前言撤回。すぐに犯人が見つかった。
え?アイさんって・・・・
「・・・・・」
「消去法で考えてあなたしかいないんです、はい」
(アイエェェェ?!ナンデェ?!ショウキョホウナンデェ?!
・・・まぁ、まずは推理を聞いてから。アイちゃんはいい人だったし
そんなことするわけない。できそうなら反論してやって俺TUEEEEEEしてやる!)
と頭で異議あり!異議あり!と練習をしているユウ。
ヨウガもよくよく見ると同じような動きをしている。
それはそうとして消去法?何故?
「体が大きくなくて素早く動けて判断力もある方・・・。」
「まず私、ヨウガさん、ユウさん、ヒロセさん、そしてリュウジさんは体が大きいし・・そんな巨体で動き回ったらヨウガさんらへんが気付くだろうし・・」
「判断力がなければ私のバッグを見たときにどうしようもありません。だから
レイアさんやリラさんは素早くてもちょっと犯行は無理かなぁと・・・」
「だから適任者はあなたしかいないんですよ、アイさん」
「くぅ・・・!」
「アイちゃん、何故こんな・・」
「ユウさん、心配なさらず。アイさんは主犯ではありません。
『脅された』・・ですよね?」
「・・・・脅されてなんか・・ない・・」
いやバレッバレやがな。ヨウガは思う。でも何故こんなに隠し通そうとするのか?
「・・・言わないなら私が言います」
「え・・?!」
「ホシナタさん!駄目だ!そこまでやらなくてm」
ユウが仲裁にはいる。が・・
「駄目なんですッ!!そんな甘ったれちゃあ事件、ましてや
チョコとリンゴ、どっちを先に食べるのかも解決できませんッ!!!」
いつものあの温厚でウソ臭い顔とは一変、恐ろしくコワーイ顔でそういった。
「だ、だがホシナt」
「私が言うのが駄目なら!」
そこまでいうとホシナタはアイに優しくこう言った。
「・・・貴方の口から、直接言ってください・・!」
「うぅ・・・!!」
恐るべしトーク力(ぢから)。チョコとリンゴは解せぬが。
するとアイは思い思いにふつふつと
話始めた。
「・・・殺されちゃうんです」
「・・・ふぁ、殺されるとな?」
「買い出しに言ってる間、・・・いきなりリーフィアがわたしを拘束してきて・・!」
[な・・・なんですかっ!!離して!!]
[今から言うことを聞け。脅しじゃないけど・・・・]
ズガゥーーン!!!
〜そのリーフィアはいきなり『テッポウ』に似たちっちゃいやつを取り出して〜
[あ・・ああ・・・]
〜数十メートル先にあった裏路地から見える店の商品・・
『小さい的のど真ん中をノンルックで撃ち抜いた』んです・・・〜
「ち、小さい・・ってどのくらいですか?」
と、リラ。まぁ小さいの一言じゃ人によって違うだろうし、
小さい(15M級)かもしれないし・・
「・・・15cmぐらい・・・」
「ふぁ?!ま、まさか直径・・・?!」
「・・・直径」
「スゲェ」
[もし聞かなかったら・・・ソフトに言えば殺す]
[(ソフト・・なの?!)]
[でも狙うのはあんたじゃない。お爺さん、ジンを狙う。]
[えぁ?!]
[今度は狙撃用のちゃんとしたやつで・・・一瞬で逝かせてあげるわ]
[そんな・・・いや、狙うのは、私にして]
[・・・フフッ、心配しないで、次はあなただから・・・]
「・・・それで言うことを聞いたんですね?で、刀を隠した・・と」
「・・・」コクリ
頷くアイ。遠くからの人質、そりゃあ見えないんだから
ナイフをつきつけて人質にされるよりもはるかに恐ろしい。
「んぅ〜〜・・・あとは主犯ですね」
「あ、ああ・・・え、ん?!」
今にも泣き崩れそうなアイをさしおいて(一応リラが慰めてる)
ホシナタが背伸びをしながら主犯・・・・と、驚くのもおかしくはない。
「お、俺とユウとレイアとリラしかいねぇぞここ」
「ファッ?!どういうこったいヨウガぁ!」
「知らんがな」
「ええ?!じゃぁ犯人はこの中に?!」
「そうなんですよ、レイアさん。」
「っていうか・・・・主犯は貴女ですよ?レイアさん。」
「「「「「!?」」」」」
「いや、レイアさん・・と呼ぶべきかなぁ?」