24 里帰り、したから読むと、りえがとさ
〜前回の粗筋〜
「駆逐してやる・・!」と、いうと、
「駆逐してやる・・!」って言う。
こだまでしょうか。
いいえ、ケフィアです。
「お前を駆逐してやろうか?」
キイイイィィエアアァァァア!!←断末魔
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〜ここは航空、言わば帰還中であったまっただ中、ロビーで口論が行われていた。〜
「ヨウガ!ごめんっていってるジャン!」
「ったく・・・ごめんですんだら警察要らんわ!」
「お二方、まあまあ・・」
「そうですよ、それにもう疑ってませんし!!」
あのあと、なんとか皆の疑いを晴らすことができたヨウガ。
レイアの言い訳によると、なんと寝ぼけてヨウガの寝てるベッドへ入ったそうだ。
しかし寝ぼけた挙げ句、そうなる事例はヨウガやレイアにとって珍しくはなかった。
「ったく本当によォ・・・」
「ヨウガさん許してあげてくださいって」
「(でもヨウガ、以外にモフモフしてたな〜・・・)」
「どしたレイア」
「ひゃうっ?!・・」
「ヨウガの声真似したんだが・・うまかった?レイアちゃん」
「び、びっくりした〜・・」
ユウのただの声真似だったようだ。しかし思った以上にうまく、
話しかけられたレイアは思わず飛び上がってビックリしてしまったようだ。
「ん?顔が赤いよ?」
「え、ウソ・・?」
続けてユウが「勝手に」推測し、「勝手に」決定付けた。
「レイアちゃん、ひょっとしてヨウガのこと、好き?」
「え・・あ・・」
嗚呼、見破られた。レイアはその場で硬直してしまった。
「ハハッ、図星?でもレイアちゃんの気持ち、わからないこともないよ?」
「・・・・え?」
「だってあいつ、バカでどうしよーもないロクデナシだけど、
・・・言わば『愛すべきバカ』って言うのか?なんやかんやで回りの人の
空気をなごませてきた。度が過ぎることも多々あるけどな・・・
でも、俺はあいつを憎めない・・・『人から好かれる』タイプだな。」
「・・・!」
「あいつがどう思ってるかは別として・・・俺ぁ、ヨウガをーーー
ーーー最高の友達だ、と。そう想ってる」
ユウはヨウガを面と向かって『最高の友達』だと堂々といっている。
ーーーなのに。それに比べて私はどうだ。
ただただヨウガを「好き」だと思っているだけで、誰にも、何にも言っていない。
それでいいのか。本当にそれでいいのか。
自分が情けなく思えてきた。寝ぼけてでの行動はもしかすると、ひょっとすると・・
ーーー『自分の本心』ーーー
そうじゃないか。いつの間にか私の頬には1つ、また1つ。
冷たくても暖かいものが伝っていってた。
言おう。明日じゃない。明後日でもない。今、言おう。
そう思うと、いてもたっても居られなくなった。
「・・・!」タッタッタッ
「?!・・レイアちゃん?!」
そうしていつの間にか私は走り出していた。
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「ヨウガさん。」
「な、なんだ?!いきなり。」
「今、たぶんレイアさんが走ってきていると思います。」
「わかってんの?!超能力者?!」
「しかも泣いて。でも・・ヨウガさんは黙って、彼女の言うことを聞いてあげて下さい。」
「へー。・・・泣いてんの?!」
「ほらっ!噂をすれば!」
「・・・あっ」
見ればずっと後方でレイアが走ってきている。確かに。なんか泣いている。
「じゃ!」シュン
「消えた?!」
「(消えたんじゃなくて『高速移動』ですけどね)」
と、心のツッコミ。
ちょうど、レイアが走ってきた。
タッ「・・・・」
「・・・・」(黙って聞く、か・・・。)
「ヨウガ・・あの・・わたし・・」
「(・・・)」
「ヨウガの・・・ことがっ!」
「・・・」(え?!まさかの・・?!)
「・・・ううっ・・・うわああああん!!」
「・・・」(え¨。)
抱きついてきた。大泣きである。
ヨウガの胸は次第に濡れていった。ちょ、まわりのひとがみてるって!!
そして何分かたって、レイアが口を開いた。
「・・・・・・・・ダイs」
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオンオンオンオンオオオン!!!!
「え?あんだって?」
「・・・・・・」
レイアは胸元で寝ていた。よく寝るやっちゃなぁ・・・。
泣きつかれたのか?はたまた失神?まぁ動かないのは確か。
この機械だ。俺はそっと、しかしぎゅっと抱き締めてあげた。
後、起きる気配がないのでお姫様だっこして運んであげて。
ま、まわりのひとg(以下略
・・・可愛いんですけど。いや、いつものは怒こりっぽくて子悪魔っぽいけど。
今は本当に、純粋に可愛い。
告白してきたらどうしよう。今のはなんかされて泣いて訴えてきたんだろ?
ま、返事はとっーーーーーーーくに、決まってるけど。でもあえて、
ーーーNOーーー
そう言おう。今の俺はまだこいつに釣り合う男じゃない。言い訳だったら
いくらでも思い付く。なんどでもNOっていってやろう。
ーーーーでも。もしも。俺がこいつに釣り合う、それ相当の男になれたら。
なれたのだったらーーーー
「おうヨウガ」
「お、ユウ!」
「レ、レイアちゃんを抱いて・・?!ってお前」
「はい?」
「泣いてる?」
「はぁ?!俺が泣くわけなかろうがたわけもの・・・」ポタッ
「うっわ。初めてみた。」
「う、うっそおおおおおお?!?!」
訳わかんねぇ。んで涙でてんの?!
あー、もー、あったまってきた!!
ってさっきなんて思ってたんだっけ?!わーーすーーれーーたーー!!
「ほら、さっさといくぞ?!もう飛行機が出るぜ?!」
「あ、まてってばおい!!」
でも、レイアが泣いて抱きついてきた、その温もりだけは忘れていなかった。
いや、一生忘れないだろう。
これまでも。
今も。
もちろんーーーー
ーーーーこれから、も。