探検隊ツヨイネの航海録












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六章 高い木が生い茂る森
39話 危ない湖
俺達はドキドキしながら船に乗り込み出発した。膝の上に乗ったのは俺、エル、ルカリオ。エルは進んでエーフィ姉ちゃんの膝の上に座った。俺は嫌々座らさせられた。俺はロコン、ルカリオはゾロアークに。
「むふふー」
ゾロアークはニコニコ笑いながらルカリオに抱きついている。
「はあー…まだ着かないの?」
「この速度だと多分あと5分ぐらいかな」
ミミロップが素早く計算して教えてくれる。
「はあ…」
2度目のため息をつき水面に目をやる。特に変わった事がなく安心した。
「ほら、大丈夫?」
シャワーズ姉ちゃんが船酔いしているサンダース兄ちゃんの背中を擦っている。
「わかんない…」
真っ青な顔をしてげっそりと答えた。
「あ、忘れてた」
師匠が狭い船の中で急に立ち上がって鞄を探り始めた。ぐらぐらと揺れ危うく落ちそうになる。
「これ!これ飲んで!」
師匠は兄ちゃんに小さいなカプセル状の薬を渡した。兄ちゃんは一気に口に含み湖の水で飲み込んだ。
「サンキュー…」
青かった顔も今やすっかりよくなっている。
「何それ?」
「私特製の酔い止めよ」
師匠が袋を見せながら言った。
「へー。サーナイトって薬作れるんだー」
ミミロップが感心して言う。師匠はちょびっと照れて顔を赤くした。
「ミミロップだって発明できるじゃない。薬を作るより凄いよ」
「そう?私はなんとなくやってたから出来ただけだよ。別に設計図も書かないし」
「両方凄いああぁぁぁぁあああああ!」
リーフィアの腹にロープのようなものが巻かれ水中に連れてかれた。
「リーフィア!」
ブースター兄ちゃんが勢いよく飛び込みリーフィアを追いかける。
「バカ!後先考えずに飛び込んで!」
シャワーズ姉ちゃんも飛び込み二匹を追う。
━━やべえ…苦しくなってきた…
半分意識がなくなり沈むブースター兄ちゃんをシャワーズ姉ちゃんが抱え全速力で船に引き上げた。
「ぶはあっ!はあ、はあ、…」
兄ちゃんは荒い呼吸をしている。温めなければヤバそうな気がする。
「ロコン火炎放射だ!」
最大火力で兄ちゃんに吹き掛ける。
「私はリーフィアを探しにいってくるわ」
そう言い残すとシャワーズ姉ちゃんは湖に飛び込んだ。
「リーフィア!」
姉ちゃんが水中で叫ぶ。水タイプだから水中でも喋れるのだ。
━━お姉ちゃん…
リーフィアが薄れゆく意識の中で姉の手を探してもがく。
━━私…も…ダ…メ…
「掴まえた!」
姉ちゃんがリーフィアの手を掴み本気で泳いで船に戻ってきた。
「え?」
リーフィアを引き上げると同時に要らない者まで引っ張り上げてしまったようだ。
「ど、ドククラゲだ!」
リーフィアの腹に巻き付いていたロープ状のものはドククラゲの触手だった。
俺達が戦闘体勢をとるとドククラゲは潜っていった。
「に、逃げた?」
グレイシア姉ちゃんがきょとんとした顔をすると船の周りに黒い影が集まった。
「ま…まさかこの下全部敵ってことはないよね?」
クチートが苦笑い気味に言う。直後、予想が大当りして沢山のドククラゲが姿を現した。そして船の真ん中を突き破ってギャラドス出現した。
「俺泳げないー!!」
サンダース兄ちゃんが手足をばたつかせて沈んでいくのをただ見ているしかなかった。
「このままじゃヤバイよ!どうしようイーブイ!?」エルが肩を揺すってきた。揺れている時に陸が見えた。
俺はしめた!と思った。
「掴んで…投げるっ!」
側にいたロコンを掴み陸まで投げ飛ばした。
「きゃああぁぁあああ!!!」
「受け身は自分でとれよー!!」
俺は師匠のいる所まで泳いで行った。
「飛べい!」
リミッターを解除して、師匠を掴み空高く(あるのは天井だけど)放り投げた。
「あ!姉ちゃん、サンダース兄ちゃん投げんのはやめて」
シャワーズ姉ちゃんに注意を呼び掛け兄ちゃんを渡してもらう。
「なんでよ」
「兄ちゃんには最後きめてもらうから」
「そういうこと」
姉ちゃんはニヤリと笑った。
それから投げ続けること1分兄ちゃんと俺以外全員陸に上がった。
「兄ちゃん、ちょっと水に潜ってくれないか?」
「やだ!」
「頼むよ。そうしないと俺達死ぬぜ?」
「わかった」
「ありがと、潜って十万ボルトをよろしく」
「お前はどうするんだ?」
「俺は兄ちゃんの頭を踏んで高く飛ぶよ」
「ちゃんと助けろよ」
「ああ」
「それ!」
兄ちゃんの頭を踏み高く飛び上がる。兄ちゃんは潜って十万ボルトを流した。水を伝い電流がギャラドス達を直撃する。
勢いよく着水し兄ちゃんを追いかける。腕を掴み水面へと戻る。
「ぷはっ!」
「流石兄ちゃんだな」
「相性が良かっただけだ」
「照れちゃって」
「うるせ」
俺は兄ちゃんを担ぎながら皆のいる岸に向かった。そして、次の階層へ降りた。

だんご3 ( 2016/09/22(木) 21:48 )