25話 科学者vs発明家
(語り手:ミミロップ)
「…君も科学者なのかい?」
「いいや、発明家よ」
私は言葉と同時にプラズマ銃の引き金を引いた。耳をつんざく音がして緑色の弾を撃ち出した。
「くっ、【ターンミラー!】」
ピカチュウは変な鏡でプラズマ弾を弾いてくるけど私には関係ない。
「【ひ○りマントォ】!」
「それ出しちゃダメなやつだ!」
イーブイが喚くが、もちろん無視。
赤と青の二色マントを取りだし自分の前に構える。当たった瞬間跳ね返りターンミラーとかいう反射鏡を粉々に砕いた。
「ああ!私の最高傑作が!許さないわよ!」
「どうぞお好きに。別に許してもらおうなんて思ってないし」
「これでも…喰らえ!」
ピカチュウは近くにある薬品をやたらめったらに投げ始めた。しかし、そんな攻撃が私に当たる筈もなく背後に消えていく。ピカチュウは私を睨み付ける。表情からは物凄く怒っている事がわかる。
「あんた…なんなのよ?」
「私は…ツヨイネ専属修理屋兼戦闘メンバー。それに趣味でこんなのも作ってますわ」
私はピカチュウに【粘着銃】の銃口を向けながら話す。
「フフ…そうだっの。どう?あんた、その腕前なら私の助手にしてあげるけど?」
「遠慮するわ。今のままで結構満足してるし」
「そう…残念だわ!《電磁フィールド》!」
ピカチュウの周りを電気が覆う。私は危険を感じ一歩引き下がり、粘着銃を撃つ。
ベチャア、とピカチュウにくっつき取れなくなる。
「何…これ!?」
引き剥がそうと躍起になって暴れるが自分で仕掛けた罠を踏み、転ぶ。
「さてと…回復薬とかないの?」
「教えるわけないじゃない」
私は無言で大事そうに閉まってる戸棚にプラズマ弾を放った。
「うわあああああ!!わかった言うから!これ以上はやめて!」
「早く言いなさい」
「あ、あの棚…」
実験結果やらなんやらが詰まった戸棚を壊されたからか泣いている。こんな表情も悪くない、と私は感じた。
「あ、探す前に貼り付けとくか」
私は粘着銃でピカチュウを床にくっつけた。
「さて…回復薬はどれかな?」
赤、青、黄、緑、紫の薬瓶が入っていた。他にも色があるがどれもこれも危険そうだ。
「ねえ?回復系のってどれ?」
「お…教しえないわよ」
無言で別の棚にプラズマ銃を向けると再び泣き出した。
「わ、わかったぁ…言うからぁ…緑のやつよぉ…」
「これね…」
瓶を全て引っ付かみ皆の口に注ぎ込む。しばらくすると全員のそのそと起き上がった。
まあ、一つ問題としてはイーブイの薬の効果がまだ解けてないこと。
「おい…この体どーしてくれるんだよ!治せるよな!?」
イーブイはピカチュウにキツく問いかける。
「治せるけど…もう無理よ…あいつが解毒薬の入った棚をぶっ壊したんだから」
「ミミロップー!!!!」
「あはは…ごめんね」
「はあ…一生このままか…14年間生きててここまで絶望したことなかったぁ…たとえダークマターだっとしても!」
イーブイは私を睨んできた。
「いつまで悩んでても仕方ないよ…何か方法を考えよう」
「エル…そうだな…方法を考えるか!の前に、俺達をどうやって進化させた!?」
「あの【強制進化マシーン】で無理矢理」
「あれ使って治せないの!?」
「無理ね、あれは進化させるだけだから」
「ちくしょー!!」
「また船で考えればいいじゃない」
サーナイトがガックリ膝をつくイーブイを励ます。
「だな…じゃ、帰りますか」
「いやちょっとおー!私を助けてよー!」
「あー忘れてたわ」
私はピカチュウに巻き付いていたねばつきをとってあげた。
仕方なくね…
―船―
一体あの塔に何時間いたのか…辺りはすでに真っ暗だ。
「あーあ俺力出なくなっちゃったなあ…」
イーブイがため息混じりにぼやく。
「その事は夕飯の後にしましょうか」
「あのさー師匠、俺の問題がどんどん後回しにされてる気がするんだけど?」
「フフ…気のせいよ」