探検隊ツヨイネの航海録












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三章 恐るべし!科学の力
23話 化石に負けるな!
「むう…怒りが解けたのはいいけど体が痛い…」
サンダース兄ちゃんの体には複数の傷ができている。
「傷だけですんだならまだいいよ…俺なんてな…」
俺はされたことを言いかけたがどうしても口から言葉が出てこない。まるで話すのを拒否するかのように。
「どうした?何されたんだよ、ってか耳に何つけてんだ?」
サンダース兄ちゃんが問い詰める。だが何も出てこない。
「これは…去年キュウコンからもらったリボン。ニンフィアにつけてもらった。何されたかは言えないんだ…言おうとすると口が動かないんだ」
「そうか…じゃあいいよ。言わなくても」
「悪いね」
「気にすんなよ。言えないことは誰にだってあるしよ。それと似合ってるぜ」
「あ、着いた」
エルが呟く。俺達の目の前には化石の絵が描かれた扉があった。今までの扉はただの鉄で出来てたがこの扉は不思議な感じがする。
「化石の部屋、古代の脅威に勝利せよ…だってさ」
毎度お馴染みでルカリオが説明を読む。
「化石系統のポケモンが相手なんだろうな。ま、俺に任せときゃ大丈夫だからな」
俺は自分の胸をトンと叩いた。
「どっから出てくるのよその自信は?」
ロコンが苦笑いしながら聞いてくる。
「わからん」
「相変わらず能天気ね…そんなんじゃいつか負けるわよ」
「大丈夫だって!さっさと行こうぜ!」
扉を押し開け中に入る。部屋の中は化石ポケモンに埋め尽くされている。
「行ってきます!」
勢いよく群れに突っ込んでいく。
「あ!イーブイ!」
アブソルが呼ぶが無視する。
「そら!」
一撃目は飛び蹴りをカブトプスの顔に当てて吹き飛ばす。着地した瞬間、縦と横、双方からラムパルドとトリデプスが突進してきた。
「おわっと!」
ジャンプしてかわし空中でリミッターを解除する。
「久々だなあ…」
体全体に力がみなぎるのを感じる。
「アイアンテール!」
鋼鉄と化した尻尾でズガイドスの脳天を叩く。
周りから敵が迫ってきている時俺はふと思った。

広い範囲を攻撃できる技ないじゃん…

グレイシアだからといって冷凍ビームやら吹雪が使える訳じゃない。
「くそっ!」
仕方なく《氷雪剣》を創りだし横凪ぎに投げる。
剣をブーメランのように投げ帰ってくることを期待したが、5、6匹目のオムナイトに当たって砕けた。
「あ…」
「ヤッチマエー!!!」
一匹が叫ぶと俺めがけてダイブしてくる。全方向から飛んでくるため回避のしようがない。
そして、呆気なく捕まってしまった。
「おやおや、これまた可愛らしいお嬢ちゃんじゃあないか」
オムスターがニタリと笑う。
「俺は男だ!!」
「メイド服にリボンしてて…。嘘はつくなよ」
「うわー助けなくていいの?」
ルカリオが焦って師匠に聞く。
「大丈夫じゃない?」
師匠は冷たく返す。
「薄情者ぉー!!!!」
仕方なく自分で対処するべく俺を掴むラムパルドの顎を蹴り上げた。その衝撃でラムパルドは俺を手放す。
素早く着地しラムパルドの足を払い、掴み、無理矢理振り回す。
「ぐ…りゃあああああああああ!!!!」
始めはゆっくりだが徐々にスピードを上げていき遂には竜巻のようになった。
周りにいる全てのポケモンを呑み込んでいく。だがツヨイネメンバーは誰もとして巻き込まれていない。
段々気持ち悪くなりそろそろどこかに飛ばすことにした。いい場所はないかと探していたら次の階への扉が見えた。
「おりゃあ!!」
扉に向けて放たれたラムパルドは固い頭を派手にぶつけ大きな音を響かせ砂埃が舞う。
砂埃が消えると階段が見えた。
「行こうか」
皆を呼び次の階に行く。
「あ、またなんか書いてある」
「ここまで登ってきた諸君お疲れ!いよいよこの『超!天才科学者』とのご対面だよ!…だ、そうだ」
ルカリオがすらすら読み上げる。
「行こう、この体からとっとと解放されるんだ」
いつになくエルがやる気をだして言った。
ぐっ、と力をいれ扉を開ける。


だんご3 ( 2016/08/28(日) 00:42 )