18話 緊急事態!
「どぉいうことだぁー!!」
俺とエルは朝起きたら突如進化していた。
「し、知らないよお!」
「は!これは悪夢か!よしビンタいくぞ!」
「え?嫌だよ!ぎゃぁああ!!!」
「痛い?」
「痛いわ!」
「じゃあ…現実か…」
「しょうがない…皆に━━━」
「いや待てエル。俺、いいこと思い付いた」
「なんだい?それは」
「いいか…こーやってな…ゴニョゴニョ…」
「えー?やだよ」
「成功したらアイスやるから!」
「うん…わかった」
「あ、おはようお兄ちゃん」
リーフィア(エル)がブースター兄ちゃんに話しかける。
「お前誰だ?」
「え?やだなあ、私だよリーフィアだよ!」
「いや、お前はリーフィアじゃない」
「そんなことないよー(な!バレた!?)」
「ふーむ…嘘をつく奴は殺すか…」
「わあ!ごめん!僕はエルだよ!」
「は?え、エル?」
「うん…イーブイはグレイシアに進化しちゃったんだよ…」
「ほー、皆で集まって会議でもするか?」
「あ、うん」
作戦失敗…
「おーし。皆集まったなー」
ブースター兄ちゃんが呼び集める。
「どーしたのー?」
ミミロップが欠伸をしながら来た。
「ああ、イーブイとエルが進化しちまったんだ」
「へー。変な嘘はいいよ。」
「いや嘘じゃないから!」
俺とエルが前に立つ。
「ありゃ、ホントだったの」
「ミミロップの機械のせいじゃない?」
ゾロアークがボソッと呟く。
「わ、私じゃないわよ。それに今日はイーブイに着てもらいたいものもあるし」
「…!」
忘れてた…昨日ミミロップにお詫びしろとか言われてそれを受けたんだった!
「あの島でサンダースが着せられたメイド服を君に着てもらいまーす!」
「や、やだね!」
「あんまり変なのはやめろ、ってことは言ったから普通のにしたんだけど…」
「じゃあ変なのってなんだよ」
「え?私の作った機械の動作チェックに使うよ?それはそれは痛いし苦しいよー」
「ぐ…わかった着てやろうじゃないか…」
〜それから10分〜
「どうだ?」
「似合うじゃん」
「カワイーねー」
「だろー?」
皆が俺を誉めるなかエルがチョップをかましてきた。
「なにすんだ!」
「僕達はどうするか皆に聞くんじゃなかったの!?」
「ああ…そうだったな」
「じゃあさ、じゃあさ!《科学島》行こうよ!」
ロコンが言った。
「科学島?どこそれ?」
「その島にはねーサイエンスタワーっていう塔があって、その最上階には物凄い科学者がいるらしいよ!もしかしたら治してもらえるかも!」
「? うちにもいるだろ物凄い科学者」
俺はミミロップを指差して言う。
「いやいや!ミミロップよりもだよ!」
「なら行ってみるか!進路はヒートアイランドから科学島に変更!ミミロップ頼むぜ!」
「…ょ」
「え?」
「ぃ…ょ」
「なんて言ったの?」
「嫌よ!」
「なんでだよ!?」
「私よりも凄い科学者がいる場所になんか行きたくない!」
「それならそいつ倒せばいいじゃん。ってかミミロップは科学者じゃなくて発明家だろ?」
「あっ!そうか!ありがとイーブイ!」
「どういたしましてー。…さて、この服はどうしたもんかな…」
「ふっふっふっ!私達が女の子の振る舞いというものを教えてあげよう!」
振り向くとグレイシア姉ちゃんを先頭にロコンとアブソルがいた。
「え?何?」
「女の子らしい振る舞いを教えるのよ」
「えー?姉ちゃんにできんの?アブソルならわかるけど…」
「黙らっしゃい!」
「じゃあ、まずはメイドさんの基本からやろうか」
アブソルがニッコリ笑った。
「女の振る舞いじゃないそれ!」
「口答えしない!」
「じゃあスカートの裾を上げて『お帰りなさいませ、ご主人様♪』って言って」
「やだね!」
「しょうがない…これを使うしかないか…」
姉ちゃんが謎のスイッチを押すとメイド服がギリギリ締め付け始めた。
「痛だだだだだだだ!!!」
「やめてほしかったら言いなさい」
「何この服…」
「あれ?聞いてないの?これはミミロップ特製の服でスイッチを押すと服が締め付け始めるんだよ」
アブソルが淡々と解説する。
「わかったよ…言えばいいんだろ?…お、お帰りなさいませ、ご主人様///」
「できたじゃーん!」
ロコンが拍手する。
「これは皆に見せなきゃ!」
「二度とやんねえぞ!」
「ご自由に!こっちにはこれがあるもーん!」
姉ちゃんは去り際にビデオカメラをちらつかせた。
「あ!この野郎!」
「皆ー!これ見てー!」
その後俺は何度もこれをやらされた。