探検隊ツヨイネの航海録












小説トップ
九章 脇役(?)逹の冒険
58話 宝玉争奪戦 その1
私はブニャット。結構有名な怪盗団Cat'sの団長さ。まあ、最近はあんまり悪事は働いてないけどね。
「ニャルマーちゃん」
「はいなんですか?っていうか僕は男です。いい加減にしてください。貴女の部屋荒らしますよ?」
これは航海士のニャルマー。雄だけども雌みたいな顔立ちだから『ちゃん』付けをしている。彼を船長室に呼び、進路を聞く。
「こっちの方が慣れたから。あと、荒らしたら海に投げ捨てるわよ」
「はいはいわかりましたよ!」
彼は、怒って頬を膨らませた。
「で、宝玉はどこに?」
「宝玉のありかは純白の森です。ダンジョンはかなり複雑な構造です。下手すると何時間も同じ場所を回った挙げ句、穴抜けの玉ってことにもなりかねませんから用心してくださいね」
怒っててもしっかり仕事はこなす。流石、と私は心の中で褒めた。
「道が複雑なら方向感覚のいい奴が適任ね」
ふー、と息を吐きペン回しをする。
「俺らが行ってくるぜ」
顔を上げると戸口にペルシアンとレパルダスが立っていた。
「ふーむ。あんたらだけじゃ心配だから私もついてくよ」
「好きにしなされ」
ペルシアンは準備だなんだと言って出ていった。
「どれぐらいで着くの?」
「だいたい、50分ですかね。それまでウォーミングアップでもしてたらどうです?何しろあそこは寒いって有名ですし」
「そうね。準備体操ぐらいしときましょか」
体を伸ばしたり曲げたりしてみる。骨がパキパキなってスッキリする。5分足らずで終わってしまいやることがなくなる。少し考えた後、閃いた。
「私ねるから。到着5分前になったら起こしてね」
ニャルマーにそう伝えベッドに横になった。
「わかりました。どーぞごゆっくり」
ニャルマーは部屋から出た。














―純白の森―
「…きて…おきて…」
耳元で誰かが呼んでいる。だが、眠くて起きる気になれない。
「起きろ!!」
肩に鋭い痛みを感じ、飛び起きる。
「何すんだい!」
「あんたが起こせって言うから起こしたんだろ!5分前も何もとっくに到着したわ!あんたが爆睡してる間に!」
ニャルマーが物凄い形相で言い放った。
「わ、悪かったね」
ニャルマーに謝り外に出る。最初に目に飛び込んできたのは純白の名に恥じぬ白さだった。森の木々は雪に覆われ、緑色の部分が一切ない。
「さあ!行くわよ!」
私はペルシアンとレパルダスを連れてダンジョンに入った。

―純白の森 B1階―
「私、思ったんだけど…」レパルダスが空を見上げながら言った。
「何が?」
ペルシアンも空を見て聞き返す。
「だって今は夏よ?なんで雪が降ってるのよ?」
「確かに…だけど俺は知らん」
「そんなどうでもいい話してないでさっさと行くよ」
私は手を叩き進むよう彼らを促す。
「敵はやっぱり氷タイプが多いな」
ペルシアンがユキワラシの足を掴んで遠くに投げ飛ばした。
「そりゃそうよ。こんな寒い所に氷タイプ以外がいるわけないじゃない」
レパルダスがオニゴーリの角をへし折りながら答えた。
「もしいたら?例えば━━えええエスパー・フェアリー!!」
私が後ろを指差すと彼らは振り向いた。
「よーブニャット!宝玉集めは順調かね?」
そう、私が指差したのはジャックだったのだ。更に奴は私をバカにして言った。
「絶対負けないから」
牙を剥き出して言い、階段を降りた。

だんご3 ( 2016/10/21(金) 00:31 )