探検隊ツヨイネの航空録










小説トップ
五章 星の国
38話 船出
「んん……ふあああ……」
 ぐーっ、と伸びて完全に起きた師匠。師匠は最後の最後まで寝ていた。
「……おふぁよ」
 欠伸混じりの挨拶。俺らは皆、師匠よりも三十分以上前から起きている。
「さて、と。師匠も起きたことだし。王様にお礼を言って出発しますか」
 ベッドから降り、部屋から出る。その後ろを師匠を除いた全員がついてくる。
「あ、ゲンガー王。昨夜は泊めていただきありがとうございました。俺達は出発します」
「行き先は決まっておるのか?」
「いえ、まだ……」
「ならば、星の国に行くとよい。ここから一番近い島で神器もある」
「ありがとうございます。泊めてもらった上に情報貰えるなんて」
「困った時はお互い様、じゃろ?」
 ゲンガー王は豪快に笑うと、行ってしまった。

―飛空艇―
「おーし、皆乗ったな」
 まだ眠いのか、やる気のない返事が返ってくる。まあ、道中襲われることは無いだろうし大丈夫だろう。
 おっと、決してフラグじゃないぜ。
 舵はミミロップに任せ、俺は皆と雑談をする。
「あ、師匠。良いもの見せてあげるよ」
 師匠は首を傾げてしゃがんだ。俺と目線を合わせるためだ。
「ほら、これ」
 鞄からスマホを取りだし、昨夜撮った写真を見せる。
 口の端からだらしなく涎を垂らして寝ている姿だ。「なッ!? ちょっと! 何撮ってんのよ!」
 顔を真っ赤にして怒る師匠。意外と可愛かった。
「まーまー、慌てない慌てない」
 スマホを遠ざけながら言う。
「師匠にも、そんな顔できたんだね」
「ど、どんなよ」
「可愛いお顔を」
 漫画ならばボフンッという効果音と共に彼女の頭から煙が上がるだろう。
「あ、え、その……」
 言われたことのない言葉に完全に戸惑っている師匠から、徐々に離れ、終いにはダッシュでその場を離れた。
「師匠になんてチョロいぜ」
 物陰から師匠を覗き、にやりと笑う。
「……何やってんの?」
「わひゃあい!?」
 すっとんきょうな叫び声を上げた。振り返るとロコンが訝しげに俺を見る。
「いや、特に何も」
「スマホで何してたの?」
 持っていたスマホを引ったくられた。慌てて取り返そうとしたが、ひょい、と避けられてしまった。
「こ、これは! サーナイトの寝顔! 変態……」
 軽蔑した目で俺を睨む。
「いいだろ。俺が何の写真撮ろうと」
「はは、そうだね」
「やめて! 生暖かい目で見つめるのやめて!」
「止めてほしいなら……私と付き合って!」
「断る」
 電光石火の速さで──というより普通に電光石火を使ってロコンを押し倒す。そして、スマホを取り返して逃走。
 待てよ、俺告白されなかったか? いやいや、冗談だろうな。俺を惑わすための冗談だ。残念ながら俺はその手にゃ乗らないぜ!



〜☆★☆★〜



「皆さ〜ん。到着しましたので〜降りてくださーい」
 バスガイドのような口調で降車を促す。
「え?」
 島に一番最初に足を着けたニンフィアが倒れた。即座にブラッキーが駆け寄る。が、ブラッキーも地面に足が触れた瞬間に倒れた。
「ど、どうなってんだ!?」
 驚くブースター兄ちゃんを突き飛ばす。よろめいた兄ちゃんは顔面から島に降りた。やはり、ブラッキー達同様に起き上がらない。
「どうなってるんだ?」
 勇気を振り絞って俺も船飛び降りる。
 島に降り立った直後、猛烈な眠気に襲われた。
「ぐ、み、みん……な。降り、て、く、るな……」
 睡魔に負け、どさりと倒れ込む。意識が、暗転した。



〜☆★☆★〜



「……ッ。う、ん……」
 頭痛がする。気力で体を起こし、状況確認する。
「あれ?」
 周り一面がさっき見た島とは全く違う。初見の時は自然豊かな島だったのに、今は和風の赤い橋が十字に繋がっている訳の分からない状態になっている。
「何だよ、これ」
 少し歩き回ると、ぐにゅっ、とした何かを踏んだ。吃驚して飛び退く。確認すると、それはエーフィ姉ちゃんだった。
 気がつけば、姉ちゃん以外、誰もいない。

■筆者メッセージ
―ツヨイネ雑談たいむ―
エーフィ「何で作者のペンネームが《だんご3》なの?」
作者「え? 簡単だよ。3DSでmiiを作って名前を考えてたんだ。本名じゃありきたりすぎだと思って」
エーフィ「だんごが好きだったから?」
作者「ううん、テーブルの上に串に三つ刺さった御手洗団子を見つけて、『あ、だんご3にしよう!』ということになりました」
エーフィ「うーむ、確かに簡単ね」
作者「でしょ」
だんご3 ( 2017/02/08(水) 21:28 )