探検隊ツヨイネの航空録










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四章 月の国
34話 月の祭壇
「……さい。……起きてください!」
 物凄い勢いで揺さぶられる俺。はっ、と目を覚ますと召し使いさんが必死になって俺を起こそうとしていた。
「あ、ありがとうございます」
 欠伸を噛み殺して、礼を言う。
「皆さんはもう玄関に集まってますよ!」
 急かされ、焦る。近くに投げ出した鞄を引っ掴み駆け出す。
「どうも!」
 道に迷わないように祈りながら走る。三つ目の角を曲がったら、皆が居た。
「遅い」
 師匠が舌打ちをした。言い返そうとした時、王様がきた。
「では、行き方の説明をするぞ。城から出たら、右側に行く。そこには階段があるからそれを昇る。頂上に着いたらば、そこからが、月の祭壇への入口じゃ。ま、頑張ってな」
 俺達は頷き、城を後にした。指示通り、右に移動すると、長い長い階段があった。
「うわあ……これ昇んのかよ……」
 階段を見るなり、サンダース兄ちゃんが嫌そうに溜息をつく。
「嫌なら来なくても良いのよ」
 シャワーズ姉ちゃんの冷たい一言。兄ちゃんはすくっ、と立ち上がると言った。
「いや! もちろん俺も行くぜ!」
 シスコンとはこんなものなのか……。ちらりとブースター兄ちゃんを見る。
「行こうよ」
 茶番の一部始終を無視するロコンは、階段を一段飛ばしで昇る。
「だな。馬鹿はほっとこう」
 馬鹿呼ばわりされたとことに気づかない彼らは最後尾でゆっくり昇ってきている。

 昇ること十分。漸く半分ぐらいだと思われる。辺りは真っ暗で足下が覚束ない。
「ん……? 誰か来る」
 階段を降りくてくる誰か、が居た。それはだんだんと近づいてくる。シルエットがはっきりしてきた。
 その正体は──。
「貴方達も観光ですか──って! お前は! 静かに風呂も入れない糞ガキ!」
「……どちら様?」
 一応、丁寧に訊いたつもりだったのだが、逆に怒りを煽ってしまったようだ。
「忘れたとは言わせねえぞ! 太陽の国で俺が日々の職務を忘れてのんびりしてるっつーのに! 騒がしくしただろうが!」
 記憶を必死に遡り、太陽の国でのことを思いだそうと頑張る。
「……ああ! あんたか! で? 祭壇はどうだった?」
「急に馴れ馴れしいわ!!」
「鋭いツッコミどうも」
「ねえ、誰なの?」
 エルがこそっと尋ねてきた。
「んー? こいつはエルを冷水に投げ入れた時、近くの浴槽にいた奴。で? 祭壇はどうだったの?」
 エルに一通り解説し、もう一度ドンカラスに訊く。
「はあ……。いいか、一回しか言わないからよーく訊いとけよ」
 俺らはこくこくと頷き、耳を傾ける。
「祭壇には指輪があって、その近くにルナアーラって奴が守ってた。で、あいつは観光大歓迎。でも指輪を狙うものはたとえ誰であれ、抹殺だそうだ。ん? お前らその大人数ってこたぁ、指輪を盗りに行くのか?」
「まあな。勝てる保証はないけど」
「ふうん。負けることを祈ってるぜ」
 嫌味たっぷりに言い、俺の横を通り抜けた。
「けっ、転んで大怪我しやがれ」
 文句を呟き、階段を昇を再開する。と、その時。
「うおッ!?」
 転けたか! と思い振り返ってみれば階段を転げ落ちそうになるドンカラスが見えた。
 が、奴は次の瞬間、闇に溶け込むような色をした翼を開き、滑空して別の足場に着陸した。
「ちッ」
「へへーんだ! 俺は転ばねえぜ!」
「はいはい気にしない気にしない」
 グレイシア姉ちゃんが俺を宥めるように背中を押して前へ進ませた。


〜☆★☆★〜



 はっきり言って、さっきの十分で半分だ、という推測は早々にぶち壊された。
 と言うのも、もう十分昇ったら、そこは少し開けた場所で、ど真ん中に突き刺してある看板には、『休憩所です。最低でもあと、二十分はかかります』と書かれていた。
「……」
 この表記には全員が絶句した。溜息をつきながらも渋々と俺達は階段を昇り始めた。

■筆者メッセージ
―ツヨイネ雑談たいむ―
作者「最近、眠気が半端じゃない」
アブソル「寝ればいいじゃない」
作者「前も言った気がするけど、小説書かなきゃいけないの!」
アブソル「前々から気になってたんだけど、作者が小説書き始めた理由って何なの?」
作者「うーんと、ケータイを貰う前から小説書くことに興味があって、いざケータイを貰ったその日の夜からeメールで小説書いては未送信ボックスにいれてたな」
アブソル「じゃあ、ポケノベルにまで発展した理由は?」
作者「これ以上書くと五百文字という制限を越えなくもないだろうけど明日のためにこの話は取っておく! さらば!」
アブソル「逃げるな!」
だんご3 ( 2017/02/02(木) 23:11 )