探検隊ツヨイネの航空録










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三章 太陽の国
23話 親の行方
「じゃあ……行こうぜ」
 少し遅めの朝食を取った俺達はかなり回復したジャノビーを連れて、飛空艇に乗り込んだ。
 目的地は【英雄の島】。本によれば何かが居るらしいが、まあ、逃げ切れないことはないだろう。
「ぎゃああああああ!!」
 ジャノビーの悲鳴、急いで駆けつけると、目を疑う光景があった。ルミナが、船に乗っているではないか。
「な、なな何で居るんだよぉ!」
「えー? だって、お城の生活はつまんないんだもん。君達といた方が楽しそうだしね!」



〜☆★☆★〜



一方、ヤハント城では──
「る、ルミナが居ない!」
 ラグラージ王が叫んだ。アシレーヌ王妃が急ぎ足で国王もとい夫に近づいた。
「あなた……あの子の部屋にこんな紙が……」
「何々……『父さん、母さん、私はツヨイネの方々と旅に出ます! ちゃんと強くなって帰ってくるからね! ルミナ』」
「ああ、どうしましょう、どうしましょう」
「まあ、大丈夫だろ」
「あなた正気ですの!?」
「ほら、可愛い子には旅させろって言うじゃないか。それにあのチームは相当の強さを持っているから大丈夫だって」
「そうだと……いいんですが……」
 アシレーヌ王妃は溜息をついた。



〜☆★☆★〜



「親が心配してんじゃねえの?」
 サンダース兄ちゃんが問うと、ルミナはにこり、と笑った。その笑顔の意味は何なのか尋ねる。
「いやぁ、父さんも母さんも毎日毎日私の世話をしてるんだからお休みをあげなくちゃね」
「ま、いいや。たかが一匹増えただけだろ? 食費もどうにかなるし」
「おー! 流石リーダー! 話の分かる男だぜ!」
 ルミナは俺の背中をばしん! と叩いた。
「キュキュキュ!」
 ロコンが勢いよくルミナにタックルした。
「な、何!?」
「多分あんたがイーブイを叩いたからじゃない?」
 師匠が推論を言う。
「ねえ、たった今思い出したんだけどさ。当初の目的って、ルーファとシルクを捜すことだよな?」
 俺は、何故思い出したかはわからない。だが何故か思い出した。きっと、殴られた時の衝撃でだろう。
「と、言うわけで、エル。《空間回廊》をヤハント城に繋げて」
「いいよ」
 開かれた穴の先にはアシレーヌ王妃とラグラージ王が驚いた顔をしていた。
「ルミナ、お前も来い」
「やだやだー! 絶対帰らないもん!」
「帰らなくても良いからちゃんと説明しろ!」
「手紙置いといたよ!」
「駄目だ、自分の口で伝えろ」
 駄々をこねるルミナを担ぎ上げ、ヤハント城に入る。
「おーい、お二方ー」
 王に手を振ったが反応がない。驚きすぎたのだろうか? 俺は無礼極まりないが、彼らの頬にビンタした。
「痛い! ……あら、イーブイじゃないですか。何か忘れ物? っとかいう距離じゃないのにどうやって来たんですか!?」
「エルの技で来ました」
「ああ、まあ納得です。で? 何かご用?」
「あ、あの、ルーファとシルクっていう奴知りませんか?」
「ルーファ、シルク……」
「十年前ぐらいに来たイーブイとエーフィのコンビか?」
 王妃が唸って考える最中にラグラージ王が答えた。
「そう! そいつらです! どこに行ったか分かりますか?」
「……わからんが、確か去り際にどこに『行くんじゃ?』と尋ねたら『決着をつけに、とでも言っておきましょうか』と言っておったな」
「そう、ですか。ありがとうございます。次はルミナからお話があるそうです」
「……父さん、母さん。私はツヨイネと旅に行きたいの! お願い!」
「行っても良いが迷惑だけはかけるんじゃないぞ」
 ラグラージ王が釘を刺すように告げた。
「うん! じゃあ! いってきます!」
 元気よく返事をし、穴に飛び込む。飛空艇に戻ると丁度、英雄の島についたようで皆が俺の帰りを待っていた。


だんご3 ( 2017/01/18(水) 23:50 )