探検隊ツヨイネの航空録










小説トップ
二章 空の上には
11話 真の敵は……!
「もっと! もっとよ! もっと羽を細かく、且つ素早く動かすのよ!」
 チルタリスの声が辺りに響く。フライゴンはそれに応えようと懸命に羽を動かし続ける。
「ぐ……うおおおおお!!」
「良くなってきてるわ! それじゃあ、ちょっと飛んでみましょうか。ちゃんと私に着いてくるのよ!」
「うん!」
 チルタリスは7割の力で飛び立った。それにフライゴンは本気で着いていく。

 俺は何をしているかと言うと、乗り手はバランス力が必要とされるようなので、柵の上などを歩いている。
 予想以上に難しく、15分やって漸くコツを掴んできたところだ。
「そろそろだ……あいつらが見えてくるはずだ」
 俺がフライゴン達の所に到着したのはそれから10分後のことだった。
「おーい! 修行は順調かぁー?」
 柵から降り、小走りで手を振りながら叫ぶ。すると、フライゴンがOKのようなサインをだした。
「よしよし、じゃ、俺を乗せて飛んでみようぜ!」
「解った」
 了承を得て、背中に飛び乗る。最初、ぐらついたがすぐに体勢を立て直し、安定した。
「俺のことは気にしなくていいから、本気で飛べよ」
「言われなくても!」
フライゴンが飛翔した。びゅう! と風の塊が俺の顔に吹き付けた。
「あははは! 最高だー!」
 フライゴンはぐんぐんスピード上げていく。初めて会った時とは大違いだ。
 今の彼は自信とやる気に満ちていた。
 ──いける! 今のこいつなら優勝も狙える!
「今、優勝間違いなしって顔したでしょ」
 不意に話しかけられ、驚く。横を見るとチルタリスがぴったりとくっついて並走している。
「そうだけど? 文句ある?」
「別に。その心意気は良いけど私には勝てないわよ」
「は? お前も参加するのか?」
「当たり前じゃない」
「じゃ、じゃあ何で敵になる俺達を助けたんだよ!」
「だって、張り合いが無いとつまらないじゃない」
 チルタリスは俺の目を真っ直ぐ見つめて、悪戯っぽく微笑んだ。その表情に俺は対抗心が湧いてきた。
「お前に絶対に勝つからな!」
「とか言って勝てた輩は0匹だよ」
 チルタリスは俺を挑発するかのような口調で言った。
「因みに私、優勝経験13回だから。私が初めて出場した年からず──っと私が一番なのよ」
「じゃあ勝ったら僕と付き合ってよ!」
 俺のパートナーであるフライゴンが口を挟んだ。きっと、ただの冗談だろう。
「私は私より強い者にしか興味がないからねえ……良いよ。勝ったら付き合ってあげよう。勝、て、た、ら! ね。バイバ〜イ。後は君達だけで頑張ってねー」
 嫌みったらしく強調してチルタリスは去っていった。
「フライゴン……ぜってーあいつに勝とうな」
「勿論さ」
「悪いけど、チート級の技を使わせてもらうぜ! ふはははは!!」
 俺は絶対にチルタリスの乗り手を蹴落としてやる、と自分の心に固く誓った。





 それから6日後、レース当日となった。
 沢山の観客のいる島の外周を見渡し、エル達がいないか確認する。
「おーい! イーブイ!」
 声の聞こえた方を振り向くとエルやルカリオ、皆が手を振っていた。
「絶対に優勝するから見てろよな!」
「おう!」
 ブースター兄ちゃんとサンダース兄ちゃんが巨大な旗を掲げた。
「何あれ?」
 フライゴンが俺に囁く。旗には【勝たねえと殺す! ツヨイネ一同】と書かれている。
「ああ、多分1週間も無駄にしたんだから償えよ。できなかったら死刑な、って意味だと思う」
「怖っ! やばいよ君のお仲間は!」
「あれが普通だからな。ま、気にするこたあないぜ。どうせ優勝するんだから」
「だよね」
『レディースアーンドジェントルメーン!』
 唐突な実況者のアナウンスに驚き、危うく落っこちそうになる。
『今日も良い天気ですねぇ! そんなことよりもレースを始めろって? オーケーオーケー! 出場者は位置について! よーい、ドン!』
 遂にレースが始まった。フライゴンのスタートダッシュは成功したが、やはり上には上がいるものだ。
俺は、シャワーズ姉ちゃんの《水弓》を創り、矢を引き絞る。
 狙いは前方にいる進路妨害してくる乗り手、ニャースだ。
「喰らえ!」
 矢を放ち、ニャースの肩に命中させる。驚きと痛みの混じった声で叫びながら、飛び手のウォーグルの背中から落下し、失格となった。
「お前ならもっとスピード出せるはずだ! 行けッ!」
 フライゴンを奮い起たせ、渇を入れる。
「確り掴まってっててよ!」
 フライゴンは物凄い速度で敵の間をすり抜けていった。それは、針に糸を通すような正確さだった。
 直後、俺らはトップ10に入るぐらい、前に来ていた。先頭はやはりチルタリス。あそこまでの距離はおよそ20m。
 俺は、《チート級の技》を発動させることにした。これでトップとはいかなくとも、もっと前に行けるはずだ。

■筆者メッセージ
―ツヨイネ雑談たいむ―
作者「僕さ、最近ポケモンSMの攻略本買ったんだけどさ、ブイズの図鑑説明が恐いんだよね」
イーブイ「ほほう言ってみたまえ」
作者「じゃあ番号順に言ってくよ。イーブイ、君はマトモだったから大丈夫。問題はシャワーズからだよ」
イーブイ「姉ちゃん?」
作者「そう、【水の中に溶け込んで気配を隠し獲物のさかなポケモンが来るのをじっと待ち構えている。】」
イーブイ「姉ちゃん意外と肉食系だっんだ。だからあんなに太るんだね」
シャワーズ「イーブイ?」
イーブイ「あ、ヤヴァイ」
作者「御愁傷様」

《ブイズ、恐怖の図鑑説明》続く!
だんご3 ( 2016/12/20(火) 22:55 )