探検隊ツヨイネの航空録










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二章 空の上には
9話 上には上がいる
(語り手:三人称ver)
「全く……イーブイはどこに行ったのよ」
 アブソルは溜息をついた。辺りを見回せばレーサー達で溢れかえっている。再び溜息を吐き、空を見上げた。すると、上空に緑色のポケモンがいた。然程珍しいことではないが、彼女はその背中の上に誰か乗っているのに気がついた。
「……ん? あれは、イーブイ? レーサーになったのかな?」
アブソルはメンバーを呼び集め、イーブイの向かった場所へ急行した。

(語り手:イーブイ)
「さて、早速作っていきましょー」
「何作るの?」
「んー。白飯と肉」
「それだけ!?」
 フライゴンはすっとんきょうな声をあげた。
「力をつけるにはこれが一番だぜ。フライゴンは肉焼いといて。俺は米を炊くから」
 俺は米を釜の中に入れながら言った。フライゴンが冷蔵庫から肉を取りだし、焼き始めた。辺りにいい匂いが漂ってくる。
 コンコンと、誰かが戸を叩く音がする。
「誰だろ?」
 フライゴンは肉を置いたまま、行ったので米は一時中断して俺がやることになった。
「イーブイ、君に用があるんだってー」
「はいよー」
 フライゴンと入れ替わり、玄関の前に立つ。目の前には見慣れた顔が揃っていた。
「何しに来た?」
「心配したのよ? どこか行くならちゃんと言ってよね」
「ん、悪かった」
 今更ながら俺はソウタとの約束を思い出した。2日たって、だけど。
「アブソル。これ、ソウタから」
 ダークルギア戦から一度も弄っていない鞄の中をがさごそ掻き回し、漸くメガストーンを引っ張り出した。
「何これ?」
「メガストーン。アブソル族のメガ進化に必要な物。ソウタがいなくなる前に渡してほしいって」
「そう……ありがとう」
「礼ならソウタに言えよ」
「うん」
「じゃあ、俺はこいつの修行があるから」
 俺は鼻歌を歌いながら料理してるフライゴンを指差した。
「うん! 1週間後観に行くからね」
「ああ、頼むぜ」
 アブソルはにこっと笑い、皆を引き連れて帰った。
「彼女?」
 台所に戻ったらフライゴンが横目に俺を見ながら言った。
「全然違う。ただの友達さ」
「にしては仲が良すぎると思うんだけど……」
「考えたことなかったな。傍目からだとそう見えるのか」
 雑談を交わしながら調理すること1時間。肉は焼け、米も炊けた。
「食うか」
 俺は自分とフライゴンのご飯を大盛りによそった。どんぶりに。
「ちょ、ちょっと! こんなに食べれないよ!」
「強くなりたきゃまずは体作りだ。沢山食わなきゃ体はでかくならないぞ。目標は……まあ初めてだし3杯にしてやろう」
「ええ……」

「ごっそさん」
 箸を置き、俺は手を合わせた。どんぶりで10杯、久しぶりだった。
フライゴンはというと、ただいま漸く3杯目。
「もう無理……」
「諦めるな。ところでお前、好きな子いるの?」
「え? 急に? ま、まあ気になってるぐらいなら」
「誰?」
「ち、チルタリス」
「ふむ……じゃあ、その1杯食えたらその子が何でもしてくれると思え」
「チルタリスが……何でも……してくれる? えへ、えへへへへ」
 フライゴンは頬を赤く染めて不気味に笑いだした。一体何を想像しているのか? 大体察しはつくが言わないでおこう。

「……っはー! ご馳走さま!」
「よく食いきれたな。その気合いに免じて洗い物は俺がやってやろう」
「ありがとう」
 フライゴンは妊婦のように膨らんだ腹を擦りながら言った。
「ちゃんと休んどけよ。洗い物が終わったら散歩に行くから」
「うん」

それから黙々と皿を洗い続けること5分。
「よし、終わり! 行くぞフライゴン」
「うん」
 俺達は夕方にタイムを計った所に来た。しかし、そこには先客がいた。
「チルタリスだ」
「え? あれがそうなのか」
 チルタリスは俺らに気づいたようで近づいてきた。
「あら、フライゴン。乗り手を見つけたの」
「う、うん」
 フライゴンの顔が紅潮し始めた。
「ぶぶぁ!」
 フライゴンは鼻血を吹き出しその場に倒れた。まさか夕食の時のあれを思いだしたのかと思った。
「あー……フライゴン?」
 チルタリスが心配そうに訊いた。
「気にしないで。ちょっと休めば治るよ」
 そう言ってフライゴンはふらふらと木陰に移動した。
「ねえ、君って速い方?」
「私? とーっても速いわよ。何と言っても前回優勝者ですからね!」
「なら島の回りを本気で一周してきてくれない?」
「お安いご用よ」
 言うが速いか、彼女はとんでもない速度でスタートをきった。
 そして、チルタリスが帰ってきたのは3分28秒だった。
俺は改めて【上には上がいる】ということを実感した。
「チルタリス。頼む、フライゴンに飛び方のフォームを教えてやってくれ」
 敵同士であるフライゴンを助けてくれるとは思わないが、藁にもすがる思いで頼み込んだ。
 すると、チルタリスはちょっと悩んだ顔をしたが「いいよ」と引き受けてくれた。


■筆者メッセージ
―ツヨイネ雑談たいむ―
作者「やあリーフィア」
リーフィア「やほー」
作者「質問だけどさあ、ブースターとキスする気ある?」
リーフィア「何でよ」
作者「だって、ブラッキーとニンフィアはもうしたもん」
リーフィア「ニンフィアが!?」
作者「うん」
リーフィア「裏切られたわ……」
作者「じゃあ今すれば? したら仲間入りだよ」
リーフィア「いや、もっと心の準備をしてからだわ」
作者「そう? ニンフィアとかゾロアークに置いてかれるよ?」
リーフィア「どういうこと?」
作者「彼女らはキスをした。次の段階へ行ける。だが、君はまだキスすらしてない。いつかはあんなことやこんなことをした彼女達に置いてかれるんだろうな」
リーフィア「ぐ……じゃ、じゃあ近いうちにするわよ」
作者「ガンバーw」
だんご3 ( 2016/12/17(土) 21:47 )