探検隊ツヨイネの日常 - 八章 子孫と仲間と暗黒物質
73話 隕石破壊と6つの願い
「お前ら誰だ?」
俺の質問に対しにこやかに答える二匹。
「僕はジラーチ。願いを叶える者だよ」
「僕はビクティニ。勝利を運ぶ者だよ」
「で?なんのよう?」
「君達のうちの誰かに隕石を破壊しに行ってもらう」
ジラーチが急に真面目に話しだした。
「な…」
俺達は絶句した。
「大丈夫。道具は全部揃ってる。あそこまでは僕らが送るから、誰か行ってきてくれないかい?」
長い沈黙。しかし、こうしている間にも隕石は迫ってきている。
「分かった…俺が行く」
「ありがとう。早速これ持って」
俺はダイナマイトとマッチを渡された。
「イーブイ!生きて帰ってこいよ!」
エルの声が聞こえ俺は振り向かずに親指をたてた。
「準備はいいかい?」
「ああ、オッケーだ」
「頼んだよ!」
直後、俺は隕石の上にいた。















―巨大隕石―
「これが…隕石か…」
俺は急いでダイナマイトを取り付けた。
「待てよ…どうやって俺は戻ればいいんだ?」
十数秒間考えて出た結果は『飛び降りる』だ。
「運に任せるしかないな」
導火線に火をつけ急いで飛び降りる。流石、巨大隕石の名を誇るだけあって飛び降りる時には爆発が始まっていた。
「うわああああ!!!」
どんどん、どんどん地面が迫ってくる。
「ッ!」
死ぬ。そう覚悟して目を瞑ったが何か温かいものに抱かれてる気がした。再び目を開けると空を飛んでいた。
いや…違う。誰かが俺をキャッチしてくれたみたいだ。
「誰だか分かんないけどありがとう」
「ふふふ!かわいい!私はラティアス。よろしくね!」
どこがかわいいのかよくわからない。
「ラティアス!キャッチできたか?」
「うん!できたよ!」
「よくやった!」
「あ、こいつはシスコンのラティオス」
「はあ、どうも」
挨拶するとラティオスは俺の耳元で囁いた。
「おい、お前…ラティアスに抱かれる事を光栄に思えよ!」
ブースター兄ちゃんと同じタイプの奴だと判断した。
「さ、着いたよ!」
気がつくと不幸の塔に着いていた。
「ただいま!」
学校から帰ってきた時のように元気よく言った。
「お帰り!」
皆も元気よく迎えてくれた。
「イーブイ。本当にありがとう。お礼に君達一匹ずつ、願いを叶えてあげるよ」
「どんなことでもね」
ジラーチが言い、ビクティニが付け足す。
「じゃあ…俺から。今までに死んだ奴等を生き返らせてほしい」
ブースター兄ちゃんが恥ずかしそうに言った。
「僕達にかかればそんなのお安いご用さ」
ジラーチとビクティニは手を繋ぎ呪文を唱えた。
するとここに皆が出現した。
「兄ちゃん…姉ちゃん…皆!」
「じゃあ…次は私が。世界を元に戻してほしい」
ミミロップが言った。
「了解!」
再び呪文を唱えると荒れ果てた大地や神々の山が直り以前の状態に戻った。
「じゃあ、僕が…僕の記憶を戻してほしい」
「分かった」
呪文を唱えるとエルの表情が変わった。
「はは…本当だ僕は警察だったんだ。アリシアは先輩だったのか」
「エル…よかったな」
「うん。ここまでこれたのも君達のおかげさ」
「どうも。 俺も頼むぜ!もっとワクワクするような冒険がほしい」
「そっか…うーん…近いうちにあるよ」
「そうか。分かった」
「じゃあ…次は僕が。僕の姉に会いたい」
「え!?ルカリオ姉ちゃんいるの!?」
一同驚愕の声をあげる。
「姉と言っても双子なんだけどね」
「君のお姉さんにも近いうちに会えるよ」
「分かった。それまで待つよ」
「最後は君だね!何を望むのかな?」
「わ、私はエルが未来に帰れるようにしてほしいわ」
エーフィ姉ちゃんが泣きながら言った。
「エーフィ…」
エルが心配そうに声をかける。
「エル…私は貴方が好きよ!」
「え…うっ!?」
姉ちゃんはエルにキスをした。
「ぷあ…エーフィ?」
「エル。未来でも元気でいるのよ」
「そんな!エル!帰っちゃ嫌だ!」
「イーブイ…」
「エル。僕達は待ってるから好きなだけ話してな」
「先輩…」
クロがエルの肩に手を置いて告げる。横にはアリシアもいる。
















次回、最終話
《さよならエル!また会う日まで》

■筆者メッセージ
―ツヨイネ雑談たいむ―
作者「僕は…決心したよ!」
イーブイ「なんのだ?」
作者「二部を書くよ」
イーブイ「あっそ……え?もっかい言って?」
作者「だから、二部作書くって言ったの!」
イーブイ「うおおお!マジかあ!」
作者「また、君達には頑張ってもらうから」
イーブイ「おう!どんとこい!」
だんご3 ( 2016/07/22(金) 02:09 )