探検隊ツヨイネの日常









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七章 不幸の塔へ
67話 幹部再び
兵士の相手はサンダース兄ちゃん任せて俺達は次の階へと進む。階段を上っている途中誰も一言も喋らなかった。
それもそのはず、仲間を、家族を殺したのだから。
「あれ?シャワーズ姉ちゃんは?」
次の階直前で気づく。
「姉さんは戻って兄さんを助けに行ったよ…」
ブラッキーが呟く。
「そうか…」
俺達は再び階段を上り始めた。
















―サンダース&シャワーズ―
(語り手:サンダース)
「そらっ!」
俺は十万ボルトで兵士を感電死させる。初めのうちは抵抗があったが、なんというかもう慣れてしまった。
もう、ただの殺人鬼だな…
ため息をつき次々に兵士達を倒す。
「そろそろ遠距離も尽きてきたな…」
とは言っても強力な近距離技を持っていない。ふと、兵士の持っている槍が目に入った。
「そうか、これだ!《雷槍》!」
文字通り雷の槍を造り出す。前にレックウザ戦でグレイシアの使っていた剣を真似てみた。
俺は槍を持ち敵陣に飛び込む。ジャンプし、敵の脳天に突き刺す。
後ろから迫ってくる兵士は槍の刃のところを軽くあて十万ボルトを流し込む。
ガシャリ、と音をたてて崩れ落ちる。
雷槍のアイデアをくれた槍使いが槍を構えて突っ込んでくる。体を捻って回避し、背中に雷槍を突き立てる。
次に向かってくる奴を倒そうと走り出するがさっき倒した奴に足を掴まれて転んでしまった。
前方から剣が降り下ろされる。
「くそっ…!」
目を瞑り死を覚悟したが何も起きない。おかしいと思い目をあけるとシャワーズがいた。
「大丈夫!?兄さん!」
「あ、ああ…」
「良かった…」
「兄さんだけじゃ心配だから私も戦うかわ」
「よろしく頼むぜ」
「《水弓》!」
これも文字通りだがシャワーズは水の弓を造った。
「それっ!」
シャワーズが矢を引き絞り一気に大量の矢を放つ。兵士達の鎧に穴が開く。
「どうなってんだ、その弓」
「矢は私の力が尽きるまで無限に作れるわ。さっきの貫通したのは高圧水流よ」
「へ〜。すげえな〜」
俺は二度とシャワーズに逆らわないようにしようと誓った。腹に穴が開いて死ぬなんてまっぴら御免だ。
「お前達下がっていなさい」
兵士の間から一匹のポケモンが姿を現す。
「誰だお前!」
俺の問いかけに対し相手はゆっくりと口を開いた。
「ふふ、私はロズレイド。暗殺団の副団長とでも言っておこうかしら?」
ロズレイドと名乗る者はすっ、と片手を上げた。
「きゃああああ!」
「シャワーズ!でめえ!何のまねだ!」
シャワーズは蔦でぐるぐる巻きにされている。
「簡単に殺したらつまらないじゃない…絶望を見せてから殺してあげるわ」
「やめろ!」
「もう遅いわ!」
「兄さん!」
シャワーズが訴えるように俺を見つめる。
「シャワーズ!くそっ!」
俺がロズレイドに雷槍を投げる。雷を帯びた槍は一直線にロズレイドへと飛んでいく。
ロズレイドは蔓の鞭で跳ね返してきた。
「おわっ!」
俺は咄嗟に回避する。
「後ろ…見てみたら?」
ニヤリと笑い後ろを指差す。
「な!」
後ろを見るとシャワーズの胸に雷槍が刺さっている。
「シャワーズ!」
「兄…さん…」
シャワーズは涙を流し動かなくなった。
「てめえ…よくもシャワーズを…!」
「あらあ?殺したのは貴方よ?」
「くっ!てめえ!」
この一言が俺の怒りを煽った。気がついた時にはロズレイドを殺しに掛かっていた。
「うおああああぁぁぁぁぁぁあああ!!!!!」
「怒りに身を任せて攻撃するのは良くないわよ…」
ロズレイドのリーフブレードが俺の腹に突き刺さった。リーフブレードを抜くと大量の鮮血が流れた。
「ちく…しょう…」
俺は意識が朦朧とし、視界が真っ暗になった。
















―イーブイ― 
(語り手:イーブイ)
「久し振りね」
次の階に足を踏み入れると懐かしの敵がいた。
「お前らは…誰だっけ?」
「忘れんなよ」
「しょうがねえ。もう一回自己紹介してやるよ。俺はジャノビー」
「兄さん!」
ツタージャが駆け寄ろうとするがジャローダが制止する。
「僕はクロ」
「あたしはアリシア」
「俺はバシャーモ…」
「ダークマター様には会わせないよ!」
クロが叫ぶと幹部達は全員臨戦体勢をとった。
「やるしかないのか…」
ルカリオがもう殺したくない、と表情で示した。
「しょうがないで…戦わなアカン時もあるんや…」
チラチーノが皆を励ますように言った。
「そうだよ…ダークマターを倒せば全部終わるんだから…その後に罪を償えばいいさ」
俺もチラチーノに続き皆を励ます。
「そうだな…頑張ろうぜ!」
ブースター兄ちゃんが言った。

■筆者メッセージ
―ツヨイネ雑談たいむ―
作者「えー、今回はサンダースとシャワーズが死んでしまいました」
サンダース「痛かったんだぜ?」
シャワーズ「私なんか電流も流れてきたわ!」
作者「悪かったね…話しを面白くさせるためさ」
サンダース「何ぃ!?喰らえ!十万ボルト!」
シャワーズ「ハイドロポンプ!」
作者「うぎゃあああああ!!!」
サーナイト「二匹とも安心しなさい。物語の最後には生き返れるから」
サンダース「そうなのか!? ならいいや」
シャワーズ「そうね」
作者「そう言えばさ、《雷槍》と《水弓》って何て読むの?」
サンダース「あれは《らいそう》ってよむぞ」
シャワーズ「《すいきゅう》よ」
作者「意外にカッコいい」
サン・シャ「どーいう意味だ!」
作者「ぎゃあああ………」
だんご3 ( 2016/07/17(日) 01:17 )