探検隊ツヨイネの日常










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七章 不幸の塔へ
66話 大切な者を失い、そして…殺人鬼へと成り果てた
鎧兵士がかなりの速度で剣を振り回す。
「うわおっ!」
バク転でさっ、と回避して汗を拭う。
こいつらが登場してから既に10分が経過していた。
「はっけい!」
ルカリオの繰り出した技が兵士の腹のど真ん中に突き刺さり仲間と一緒に後ろまで吹っ飛んでいった。
「《ディープシャドウ》!」
ゾロアークを中心に黒い渦が広がり近くにいる兵士達を呑み込んでいく。次に出てきたときにはただの鉄の塊となっていた。
ゾロアークの新技を見ていて兵士の剣が降り下ろされたのに気づかなかった。
「あ…」
兜からだと表情が読めないが多分奥では勝利を確信した笑みを浮かべているだろう。
俺が諦めて目を瞑ろうとした時、オレンジ色の閃光が横切った。
バゴオォオオン!!
轟音と共に兵士を薙ぎ倒したのはなんとブースター兄ちゃんだった。
「お兄ちゃん!生きてたんだ!」
リーフィアが《インフィニティウィップ》で攻撃しながら歓喜の声をあげる。
「兄さんは!?」
シャワーズ姉ちゃんが波乗りならぬ《陸乗り》で兵士達を押し倒す。
「もうすぐ来るぞ!」
「良かった…」
姉ちゃんは胸を撫で下ろして一息つく。
「グレイシアは!?」
ゾロアークの質問に対し兄ちゃんはきょとんとした表情を見せる。
「グレイシア?見てねえけど」
兄ちゃんは話しながら火炎放射で鎧溶かして兵士を動けなくする。
「ぐぐぐ…」
師匠が兵士をサイコキネシスで持ち上げボウリングの球のように敵の群れへと投げつける。
俺の目の端に剣を投げようとする兵士を見つけた。
「師匠!危ない!」
「え?」
俺の叫びも虚しく剣が師匠の腹に刺さり鮮血を撒き散らす。
「師匠!!」
俺は絶叫した。
「…イーブ…イ?」
師匠が消え入りそうな声で呟く。
「何?」
俺は泣きそうな声になる。
「私は…いい師匠だった…かしら…?」
「ああ…最高の…師匠だったよ」
ついに涙が俺の頬を伝って師匠に落ちた。
「師匠…俺が…敵を取るから!」
師匠からの返事は返っては来なかった。涙を拭き師匠に刺さった剣を抜き兵士達に向かって歩き出す。
そして、地面を強く蹴り一番近くに居た兵士の腹に剣を突き立てる。
ガスッ、と音がして鎧を突き破った。引き抜くと剣には血がこびりついている。

そうか…中に誰か入ってるのか…

そう考えると殺してしまったことになる。ゾクッ、と俺の背中を冷たいものが流れた。しかし、一匹殺したらもう後には引けない。何匹殺そうが殺人者は殺人者だ。
思考を切り替え、次の兵士に飛び掛かる。二体同時の相手だったから剣を横凪ぎに払うと鎧が切り裂け中から血が吹き出し俺にかかる。
俺は戦っているうちに師匠を殺した奴を発見した。
「てめえだけは…てめえだけは許さねえ!!」
ぶんっ!と剣を投げ奴の腹に突き刺さり師匠と同じように血が飛び散る。だが一つだけ違うところがあった。それは剣が貫通したことだ。
剣は鎧を突き抜け後ろに居た仲間にも刺さり計4体の兵士を地獄送りにした。
そして、気が付けば兵士は全滅しているではないか。
後ろを振り向けば皆がお疲れ、と言ってくれるだろう思い振り返ると全員恐怖の表情をしていた。
「どうしたの?」
「私はポケモンを殺した…?」
ゾロアークが有り得ないというような口調で言った。
「それを言うなら俺だって…」
ブースター兄ちゃんも下を向いて呟く。
「一体誰が入ってるんだろう?」
リーフィアが緊張感の無い声で言う。
「!!!」
兜を外すとリーフィアは勢いよく後退った。
「どうした!?」
皆がリーフィアの回りに集まる。
「そ、それ…」
リーフィアは震えた指で方向を指し示す。
「ぐ…グレイシア!」
ゾロアークが鎧の中身を見て叫ぶ!
それもそのはず、中にはグレイシア姉ちゃんが入っていたのだ。
もしや…と思い全ての兜を取り外す。
中に居たのは…
クチート
ブラッキー
マニューラ
グレイシア
アブソル
ロコン

こんなにもメンバーを殺したのか…

再び深い絶望感に襲われる。
「オーイ!」
後ろから声が聞こえる。振り返って見るとサンダース兄ちゃんとツタージャだった。
「兄さん!」
シャワーズ姉ちゃんがサンダース兄ちゃんに抱きつく。
「ツタージャ。何があったの?」
ジャローダの質問されここに来るまでのいきさつを全て話した。
「僕達は大量デンチュラに捕まり糸でぐるぐる巻きにされちゃったんだ。グレイシアとか、ブラッキーとかは最初抵抗してたけど兜を被せられた瞬間から暴れなくなって敵の言うことを聞くようになったんだ」
「よく逃げれたね」
ルカリオの一言でツタージャが照れ始める。
「こんなところでくよくよしてられないよ!皆には悪いけど…早く行こう!」
「ん?」
サンダース兄ちゃんが耳をピクリと動かし、「敵が来た」と俺達に告げる。
「俺が残るからお前らは先に進め!」
兄ちゃんが吠え俺達は次の階へと移動する。
「うわぁ…これだけの相手はきついな…」
サンダース兄ちゃんが呟いた。

■筆者メッセージ
―ツヨイネ雑談たいむ―
作者「はい、サーナイトを殺してしまって誠に申し訳ありませんでした。サーナイトファン(いるか?)の方には悪いことをしたなあと思っています」
サーナイト「あんた話し長いわ」
作者「あ、さーせん」
サーナイト「ま、死んでもいいわ。どうせ、ラストは作者が生き返らせてくれるんだから…」
作者「どうかな?」
サーナイト「い、嫌よ!私ホントに死ぬなんて!」
作者「まあ、雑談には出るからそん時頑張れば?」
サーナイト「生き返らせてね!」
作者「どーしよかなー」
サーナイト「ねっ!」
作者「しょうがない…分かったよ」
サーナイト「やった!」
だんご3 ( 2016/07/17(日) 02:03 )