探検隊ツヨイネの日常









小説トップ
六章 旅立ち
61話 ロコン救出大作戦!―ロコンの正体―
―宿屋(午前10時半)―
「ふあああ…」
大きな欠伸をしてベッドから降りる。二足歩行で歩き出した俺は酔っぱらいの親父のようにふらふらと歩いた。
え?何で二足歩行かって?
それは、慣れないことを慣らすのと戦いで役に立つかもしれないしな。
宿屋の食堂は一階にあるため階段を降りなくちゃならない。階段で二足歩行は危ないからいつも通り歩く。
「はよー」
『おはよー』
やる気のない挨拶に対してやる気のない挨拶が返ってくる。
「あれ?ロコンは?」
俺の質問に皆が周りをキョロキョロ見回す。
「いないよ」
ルカリオが言った。
「まだ寝てるんじゃない?」
ブラッキーが言ったことを確認しに行く。
「起きろロコン」
ロコンの寝ているベッドから布団を剥ぎ取ると誰もいなかった。
「あれ?」
俺は空のベッドを見て首を傾げた。
「イーブイ。ちょっとこれ」
「?」
ブラッキーが小さな紙切れをくれた。
「何これ?」
紙切れを開くと手紙が書いてあった。
「『ロコンは返していただきました。王妃』え?誘拐?」
「だね。でも王妃って書いてあるから城に行ってみれば?」
アブソルの提案に賛成し、出発することにした。
「俺と師匠とエーフィ姉ちゃんで行くよ」
「何で?」
ゾロアークが準備体操をしながら聞いてきた。戦う気満々だ。
「だってさ〜、大人数で行ったらバレるよ?それに正面突破じゃないし」
「早く行こ」
姉ちゃんが急かす。
「じゃ、行ってくる」
「行ってら〜」
リーフィアが手を振って見送ってくれた。
















―城(裏庭)―
「あそこの窓が開いてるな。師匠と姉ちゃんはここで待っててロコンを連れてくるからテレポートで脱出だよ」
「わかったわ」
「じゃ、あの天窓まで飛ばしてくれない?」
そう言った途端俺の体は宙に浮いていた。
「あああああ!!」
叫びながら飛んでいった俺は開いていた窓ではなく閉められた窓にぶつかりガラスを突き破って床に落ちた。
「痛てえ!」
強打した腰を擦りながら立ち上がり周りを見回す。
結婚式の最中で俺は招かれざる客のようだ。
「イーブイ?」
聞き慣れた声が俺の耳に入る。
「ロコン?」
結婚式の主役はロコンと後もう一匹…
「何やってんだ?」
「結婚式よ」
ロコンはさらっと答える。
「相手は誰だ?」
「僕だよ」
ロコンの代わりに誰かが答える。
「僕はリオル。ロコンの婚約者さ…君はここに呼ばれてないのに来た。だけどロコンは…姫は渡さない!」
「いやいや、別に俺はロコンとはただの友達だし。てかロコンってお姫様だったの!?」
「ええ、そうよ」
「結婚した後も探検するだろ?」
「いいえ、させません」
新しい奴が話す。
「今度は誰だよ」
上を向くとキユウコンがいた。だが氷雪の霊峰にいるキユウコンとは違う。
「私はシーア。ロコンの母親です」
頼んでないのに自己紹介をする。
「何でだよ」
「それはあの子には王妃となった暁には仕事が沢山あるからです」
「そっかぁ…ロコンの意思なら別にいいよ。リーダーとして認めるよ。じゃあな…」
俺は出口に向かって歩き出した。
「待って!」
「ん?」
呼び止められ、振り向くとロコンが泣いていた。天井の照明によって涙が宝石のように輝いている。
「私は…結婚したくない!」
そう叫ぶとロコンは走ってきて俺に抱きついた。
「おわっ!」
突然の出来事に俺は態勢を崩し転んだ。
「お母さん。私は結婚もしないわ。するならイーブイがいい!」
俺は耳を塞がれていたため何を言っているのか聞き取れなかった。
「逃げるよ!」
ロコンが俺の腕を引っ張って走り走り始めたがウェディングドレスのせいで転んでしまった。
「大丈夫か?」
ロコンをお姫様抱っこしながら城から脱出した。
「これがホンとのお姫様抱っこ!なんてね」
「助けに来てくれてありがと。私、お母さんに脅されてたのよ。こいつらは地下牢に入れておいた。逆らったらこいつらは処刑だ、って。仕方なく従ってたのよ。でも、イーブイが来てくれて偽物だってわかったのよ」
「そっか、そいつはよかった。あそこで師匠とエーフィ姉ちゃんが待ってるから行こ」
「わかったわ」
腕が疲れてきたからロコンを下ろそうとしたが止められた。
「もう少しお願い」
「わかったよ」
よっこらせ、としっかり抱え師匠の所に行く。
「待てー!」
『え?』
6匹の兵士達が俺を狙っている。
「いいっ!?」
「あれはお母さん専属の兵士達よ!」
兵士達は破壊光線や冷凍ビーム等強力な技を立て続けに撃ってくる。
兵士の地震で俺の体が飛ばされロコンを手放してしまった。
そこをピジョットがキャッチしようとするが殴り飛ばしてやった。ピジョットは甲高い鳴き声を上げ、地面に落ちた。
ちょうど師匠が見えたからロコンを師匠に向かって投げる。
「師匠ー!!俺は後で帰るから先帰っててー!!」
大声で事情を説明する。
落下しながら態勢を立て直し兵士達と向き合う。


■筆者メッセージ
―ツヨイネ雑談たいむ―
作者「今日(7/6)テストだぜー!」
サンダース「勉強したのか?」
作者「してねえ」
ブースター「ははは!バーカ、バーカ!」
サンダース「お前が言うな!お前のテストはなあ…」
ブースター「あああ!言わないでくれー!」
サンダース「国語:42
数学:56
英語:28
理解:65
社会:47」
作者「う、嘘だろ?わははは!お前の方が馬鹿じゃーん!!」
ブースター「う、うるせえ!」
サンダース「まあ、頑張りな」
作者「うん。まあ、頑張るよ」
だんご3 ( 2016/07/06(水) 00:22 )