探検隊ツヨイネの日常










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六章 旅立ち
60話 ようこそ!ポケ王国!
「ただいま」
「お帰り…って何で戻ってきた?」
キュウコンがノリツッコミをする。
「いや、帰り方がわかんなくてさ。俺達どうやって行けばいい?」
「うーん…アルセウス呼ぶ?」
「頼むわ。あ、縛るのに適したロープくれない?」
「いいけど?何で?」
「ロコンがさあ…行きたくないを連呼して五月蝿いし、暴れるし…できれば猿ぐつわもも欲しい」
「ちょっと待ってね…」
キュウコンは近くにあった木箱の蓋を開け探し始めた。
「えーっと…んーっと…あ!あった!ほい!」
キュウコンが俺にロープ…?
いや、鎖を投げた。
「何で、鉄?」
リーフィアがじゃらじゃらと鎖を持ちながら聞く。
「その子炎タイプでしょ?ロープは切られちゃうよ」
そう言って猿ぐつわも放ってよこした。
「ありがとー!」
早速、ロコンの腕と足、ついでに尻尾も固定して縛り上げた。猿ぐつわを噛ませようとしても中々口を開けないから腹をくすぐったら大笑いして簡単につけられた。
「うし、後はアルセウスを待つだけだな」
ブースター兄ちゃんは額の汗を拭った。
兄ちゃんはロコンを縛るのを手伝ってくれたのだ。
理由?
そんなの同じ炎タイプだからに決まってんじゃん。
「どこに行くんだ?」
不意にアルセウスが現れて俺達は吃驚した。
「噂をすればなんちゃら、ってやつか」
サンダース兄ちゃんが苦笑いを浮かべる。
「ポケ王国に頼むわ」
師匠がアルセウスに飛び乗りながら言った。そして皆それに続いて乗り込んだ。
「なあ、ロコン。そんなに行きたくない?」
俺の質問に対しコクりと頷く。
「理由は?」
ぷるぷると首を振って答えようとしない。
あ、元から喋れないんだったけ。
「理由がないなら無理にでも連れてくからな」
「着いたぞ」
ロコンは何か伝えようとしたみたいだが着いたから言うことが無くなったらしい。
「さあ、ここまで来たら後戻りは出来ないぞ」
俺達はロコンの拘束具を取った。
「…はあ…はあ…乙女によくもこんな仕打ちを…後でお仕置きだからね…全員」
「はっ?何で、僕達まで?」
エルが抗議すると皆が騒ぎ出した。俺は面倒だから王国の周りを見ることにした。
潮の匂いがする。国の向こう側には海があるのだろう。しかし高く険しい山で覆われていてとてもじゃないが登るのは無理だ。
「おーい!早く行くよー」
ブラッキーが俺を呼ぶ。ダッシュで追い付き国へと足を踏み入れる。
町は賑やかでポケモン達で溢れかえっている。
「ねえ!見てよこれ!」
リーフィアが何かを発見したようだ。
何だ?何だ?と集まる。
「ダンスパーティーだ」
ニンフィアが呟く。
「あ、ホントだ。国立150周年記念パーティーだって」
ツタージャがわくわくしたように言う。
「7時からだって!ねえ、行こうよ!」
クチートも目を輝かせて言う。二匹ともアイドル時代の血が騒ぐのだろう。
「俺達の目的はダークマターだぜ?」
「そんなの後よ後」
グレイシア姉ちゃんが衣装屋に入っていった。俺を残して皆行ってしまった。
「マジかよ…」
衣装屋の中に入ると愛想の良い店員が話しかけてきた。
「何をお探しですか?」
「あ、ダンスパーティー用の服を」
「ああ。今日はその服のレンタルばっかりでして、今しがた沢山の方々が借りていかれましたよ」
店員はやれやれというように軽く首を振った。
「お客様のサイズはこんなもんでしょうか?」
そう言って黒いタキシードを渡してくる。
「はあ、どうも…」
俺は代金を支払って店を出た。











―宿屋(午後6時半)―
「そろそろ行こうぜ」
サンダース兄ちゃんが立ち上がり宿屋から出た。皆が城に出発後残ったのは俺とロコンだけだった。
「ロコンは来ないの?」
「行かない。楽しんできて」
ロコンは出入口まで見送りに来てくれた。
「じゃ、行ってくる」
「行ってらっしゃい」
ロコンと別れを告げ合い出発しようとしたらロコンの顔が急に険しくなった。
「どうかした?」
「ん?いや、何でもないよ」
「そう?今度こそ行ってきまーす!」



俺達は7時から始まるダンスパーティーは終了の12時までいた。
踊ったり食ったりして疲れた。おぼつかない足取りで宿屋に帰り、各自の部屋に戻る。
俺は寝る前にロコンがちゃんといるかどうか確認した。
大丈夫。ちゃんと寝てる。
布団を頭まで被って寝ているためホントにいるかまではわからない。だがめっちゃ眠かったからそのまま確認せずに寝た。

だんご3 ( 2016/07/05(火) 00:37 )