探検隊ツヨイネの日常









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六章 旅立ち
56話 裏切り者 ―ジャローダの秘密―
「はあ…今日から学校か…」
俺は鞄を背負いながらため息をつく。
「行ってくる〜」
やる気なさげに言った。
いや、元々ないんだけどな…
「遅いよー」
アブソルが悪態をつく。
「悪かったな…」
「行こうか…」
ルカリオが歩き始め俺達もそれに続いた。










―学校―
「また、後でー」
俺、エルルカリオブラッキーはロコンとアブソルと別れ、教室に向かった。

「えー、皆さんお久し振りです」
ジャローダ先生が話し始める。
「夏休みはいかがでしたか?私は飲み会に海と沢山遊んできました。皆さんも夏休みでリフレッシュできたと思いますので張り切って行きましょー!」
「皆ならんでー!」
学級委員のフタチマルが叫ぶ。
ってか、1学期お前いたか?
ぞろぞろと並び体育館へ移動する。
「おはようございます!」
『おはようございます!』
教頭の挨拶に全校生徒が返す。
「良い挨拶をありがとうございます。では今日から━━━」
教頭の話しは長いので割愛させていただく。








「はい、さようならー」
先生が手を振り…違った、蔓を振り生徒を見送る。
「じゃあ、俺達も帰ろうぜ」
出口に向かって歩く俺を誰かが止めた。
「イーブイ。こっちに来い」
「何ですか?バシャーモ先生?」
「お前に用がある。ついてこい」
「皆は先帰ってていーよ」
俺は先生についていって使ってない教室まで来た。
「やっと…やっと二人っきりになれたな…」
「はあ…?で用け━━━!?」
腹に鋭い痛みが走る。ロッカーに激突し、体の節々を痛める。
「有名な探検家でも不意討ちには弱いな」
「まさか…あんた、疾風の星騎士だなんてことないよな?」
「そのまさかだ。俺は幹部のバシャーモ。お前を殺すためにボスから指令を受けてきた。」
マジか…
心の中で呟く。腹と背中には動こうとすると激痛。肋骨が折れてるかもしれない。
絶体絶命、万事休す、死…
この3つの言葉しか考えられない。
「死ねえっ!」
バシャーモがブレイズキックで俺を消し飛ばそうとする。
目を瞑り、死を覚悟したが何も起きない。恐る恐る目を開けると蔓によって足が止められている。
誰かと思い確認しようとするがバシャーモの陰に隠れて見えない。
「何をしてるんです?」
透き通るようなキレイな声が聞こえた。間違いないジャローダ先生だ。
「お仕置き、とでも言っておきますか」
「明らかに違います。私の見たところ彼は肋が3本は折れている」
「やり過ぎた、とでも言いたいんですか?」
「ええ、その通りです」
先生の尻尾がバシャーモの頬に当たる。
「あんたはやり過ぎたんだ。バシャーモ」
先生の口調がいつもと違う。
「ふん、俺を見張ってたのか?」
「ええ、彼と…ルーファと約束したから。この子が中学に入ったらジャローダ、守ってくれないか?と言われ、その訳も説明してくれた」
「どんなの…?」
思わず口を挟んでしまう。
「起きてたの…わかったわ。言うわよ。」




―12年前―
(語り手:ジャローダ)
「ジャローダ。頼みがあるんだ」
ルーファが深刻な表情をする。
「何?」
「この子が13歳。中学に入学したらお前が教師になって守ってくれないか?」
ルーファは小さな赤ん坊を私に見せた。
「何で?」
「俺とシルクは旅に出なくちゃならないんだ。全てを終わらせるために…」
「ダークマターは倒したはずでしょ?まだ何かあるの?」
「ダークマター何て始まりに過ぎなかったんだ。この世界のどこかに黒幕がいるんだ」
「そう…わかったわ」
「引き受けてくれるのか?」
「いいわ。任せて」
「それに今回の封印は余り上手くいかなかった。封印も、もって11年あるかないか位だしな。あいつが復活すればこの子が狙われる」
「どうして?」
「俺にはわかるのさ…こいつは探検家になって、ダークマターと対峙する事になる。それが俺達の宿命ってやつだ」
「必ず生きて帰ってくるのよ」
「約束する」
「それと、奥さんには内緒よ」
「何だ━━!?」
チュッとルーファの頬にキスをした。
「何すんだよ!?」
「応援よ」
「サンキューな。じゃ、行ってくる。シルク!準備できた?」
「もっちろんよ!」











(語り手:イーブイ)
「そんな事が…あったなんて。父ちゃんは放浪くそ親父じゃなかったんだ」
「そうよ。あんたのお父さんは立派だったのよ。誇りに思いなさい」
「うん…」
俺は自分が泣いていることに気づき急いで涙を拭った。
「大分話しが逸れたけど、お前を倒すときが来た…」
「やれるもんならやってみろ」
バシャーモは馬鹿にしたように言った。


■筆者メッセージ
―ツヨイネ雑談たいむ―
作者「イーブイ、祭りの時のフィギュア売ったの?」
イーブイ「もちろん。80万って言ったけど実際は150万だった」
作者「マジで!?続いてブースター」
ブースター「何だ?」
作者「祭りの時の本役に立ってる?」
ブースター「うん、まあ。自分でシスコン何て言ったことをリーフィアに聞かれなくてよかったぜ」
作者「よかったな。じゃ、最後にエーフィ」
エーフィ「な、何かしら?」
作者「祭りの時のゲーム楽しい?」
エーフィ「うん」
作者「年下が好きなんでしょ?」
エーフィ「うん」
作者「エルは?」
エル(ナイスだ作者!!)
エーフィ「結構好みな子かも」
エル「っしゃああああ!!」
イーブイ「よかったな」
だんご3 ( 2016/06/30(木) 23:46 )