探検隊ツヨイネの日常 - 五章 楽しもうぜ!夏休み!
46話 肝試しはぞくぞくする!
―肝試し当日―
俺はあれこれ考えて休もうと思ったけど駄目だった。
「よしっ!皆のもの!準備はいいか?」
『おおー!!!』

全員が元気よく答える。
俺ともう一匹を除いて。
なんとグレイシア姉ちゃんだった。いつも俺にはちょっかい出すくせに今日ばっかりはゾロアークの横でそわそわしている。
「おー」と俺達は力なく返事を返した。
「じゃあ、出発だあ!!」
サンダース兄ちゃんの掛け声でツヨイネ一行は悲しみの森へと向かった。


















―悲しみの森―
「さあさあ!とうとうやって参りました!肝試し!」
アブソルがいつもの数倍のテンションで叫んだ。
「あーい、じゃーペア決めろー」
ブースター兄ちゃんはリーフィアに近づきながら言った。
やんややんやのどんちゃん騒ぎで決めるのに30分はかかった。何で事前に決めないんだよ、とツッコミを入れたかったが黙っておいた。
また五月蝿くなると面倒だからだ。
ペアは以下の通りだ。
サンダース・シャワーズ
ブースター・リーフィア
ブラッキー・ニンフィア
ロコン・アブソル
ツタージャ・クチート
サーナイト・ミミロップ
エル・エーフィ
イーブイ・グレイシア


「じゃ、一ペア目行ってらー」
サンダース兄ちゃんが言った一言でブラッキー・ニンフィアペアが出発した。

―ブラッキー・ニンフィア―
(語り手:ブラッキー)
「ニンフィア?怖い?」
「ううん。全然大丈夫心配してくれて優しいね」
「う、うんそれほどでも…あるかな?」
僕は照れて顔が赤くなったが、幸い辺りが暗かったのが唯一の救いだった。
それから10分程歩くとゴールが見えた。
『つまんなかった』
僕とニンフィアが思った率直な感想だった。



―ツタージャ・クチート―
(語り手:ツタージャ)
「ううっ…怖いなあ…」
クチートは僕にピッタリくっついて歩いている。
「離れてくれない?」
「やだよ!怖いんだもん!」
「じゃあ、手握ってる?」
差し出した手をクチートはしっかりと握った。僕は女なのに嬉しいと感じてしまった。
そのまま歩いてゴールする。しかし、その後も彼女は手を離そうとはしなかった。
―ブースター・リーフィア―
(語り手:ブースター)
順調に進み残ったペアは俺とイーブイのペアだけとなった。
「よし、行くか。おい!お前らちゃんと来いよ!帰ったら罰ゲームだかんな!」
「なあ、リーフィア?怖い?」
「全然」
リーフィアの言う通り歩いていても別に怖くはない。これ位ならあのビビりコンビでも大丈夫だろうと考えた。
あっという間にゴールに着いたが達成感を感じられなかった。


―イーブイ・グレイシア―
(語り手:イーブイ)

「はあ…行こっか」
「うん」
俺達は短く会話を終わらせ森の中へと足を踏み入れた。
別に怖くなかった。
だが俺は自分がビビりだったことを思い知らされる。
「ひゃあああ!!?」
「きゃあああ!!」
急に姉ちゃんが叫ぶから俺も叫んでしまった。
「何があったの」
「葉っぱが当たっだけ」
「急に叫ぶなよ…ひにゃああああああああ!!」
「な、何?」
「木の根っ子だった」
「脅かさないでよ」
「お互い様だろ」
それから数十分歩き続けたらようやくゴールできた。
「遅い!」
シャワーズ姉ちゃんに怒られた。
「皆集まったな?よし!帰るぞ!」
サンダース兄ちゃんが指揮をとりその後に皆が続く。
「ちょ、ちょっと待って!」
ミミロップが慌てて言う。
「どしたの?」
ブースター兄ちゃんが聞く。
「サーナイトがいないの」
『ええっ!?』
一同は驚愕の表情を浮かべる。
「ばあっ!」
師匠はいきなりサンダース兄ちゃんの背後に現れ脅かした。
「ぎゃああああああああ!!!!!!」
「ドッキリ大成功!」
師匠はミミロップとハイタッチをする。
兄ちゃんは腰を抜かし、シャワーズ姉ちゃんにおんぶしてもらって帰った。


























翌日、まだまだ夏休みがあることを俺は改めて実感した。

■筆者メッセージ
―ツヨイネ雑談たいむ―
作者「やったぜ!遂に長編の仲間入りだあ!」
イーブイ「おめでとー」
作者「あれ?なんか今日は素直だね?」
イーブイ「いつもだろ」
サーナイト「もちろん大長編まで書くわよね?(ギロッ」
作者「睨むなよ。って、こんなやり取りを前にやった気がする」
イーブイ「皆!これからも誤字脱字、駄文が多いけどよろしくね!」
作者「それ、僕の台詞ううううう!!」
サーナイト「いい気味だわ」
作者「何が!?」
サーナイト「いろいろよ」
だんご3 ( 2016/06/19(日) 03:23 )