探検隊ツヨイネの日常









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二章 記憶の欠片
22話 アブソルとの出会い《ツヨイネが有名になったわけ》『4』
―前回のあらすじ―
地獄山の門番フーディンを倒したイーブイ達は山へと入っていった。
アブソルの待つ最深部へと進む。
アブソルを救助しようとするとどこからともなく声が聞こえてきた。
声の主は誰なのか?







「誰だ!隠れてないで出てこい!」
「ったく、うるせえなあ…」
「しょうがないわね…」
そう言うと二匹は姿を現した。
「お前ら、誰だ?」
俺は身構えて質問した。
「私達は暗殺者!マフォクシー!」
「同じくゲッコウガ!」
案外素直に答えたのでビックリした。
暗殺者ってもっと「誰が教えるかよ!」とか愛想が悪いと思っていた。
「何をしに来たのよ。」
師匠が威嚇するように言う。
「二回も言わせんじゃねえ。お前らを消しに来たんだよ。特にお前だ。」
ゲッコウガは俺を指さす。
「ふん!逆にお前を消してやるよ!」
俺はいつもどうりに突っ込んでいき水鉄砲を前転でかわしゲッコウガの足を掴む。
「兄ちゃん!十万ボルトだ!」
ゲッコウガを味方の方に投げて叫ぶ。
「任せろ!十万ボルト改!」
『改!?』
敵味方一同驚いた表情をしている。
「そう!十万ボルトを強化したんだ!簡単に言えば五十万ボルトだ!」
「何で『改』なんだよ。」
ルカリオがオレンの実をかじりながら聞く。
「えー、かっこいいじゃん。ってか何オレン食ってんだよ。」
サンダース兄ちゃん解説&ナイスツッコミをいれる。
「お腹すいたから。」
ルカリオはオレンの実の皮をマフォクシーに投げつけた。
「なら林檎食えよ。」
ブースター兄ちゃんもツッコミをする。
「きゃっ」とマフォクシーは顔に張り付いた皮を外すが今度は大量の水を顔面に受けた。
二匹は効果抜群の技を受け横たわっている。
しかしマフォクシーだけはスクッと立ち上がった。
「よくも私の美しい毛並みを!」
マフォクシーは火炎放射やブラストバーンなどの高威力の技をたて続けに放つ。
その技は全て兄ちゃんとロコンによって吸収された。
「流石にこの量の火を受けるのはキツいわ。」
ロコンの体からは湯気が立ち上っている。
「ほんと、今にも燃えそうだぜ!」
兄ちゃんからも湯気…ではなく本当に燃えている。
「いや、兄さんホントに燃えてるよ。」
ブラッキーは暑そうに言う。
「おー!ホントだ!今ならこんなのも出来そうだな…」
兄ちゃんはふっふっと笑いマフォクシーに突っ込む体制をとる。
「させるか!」
ゲッコウガハイドロカノンを撃つがリーフィアのリーフブレードで切り裂かれる。
「お兄ちゃんに手出しはさせないよ?」
「ちくしょう!水手裏剣!」
水手裏剣とはその名の通り水でできた手裏剣。
手裏剣はリーフィアの胸めがけて飛ばされるが師匠のサイコキネシスで止められる。
「っと、ありがとー!」
「どういたしまして。」
リーフィアは体力を回復する必要もないのにドレインパンチを腹に叩き込む。
「ガハアッ!」
ゲッコウガは叫ぶこともできずその場に血を吐き気絶した。
「やっちゃった☆」
リーフィアはテヘペロといった感じで言った。
いつもだったら可愛いかったのだろうが今は顔や体に血がかかっていてそうとう怖い。
ブースター兄ちゃんはというと火を纏った体でマフォクシーを狙う。
「喰らえッ!バーニングアターック!」
長いため略させてもらうがバーニングはマフォクシーの腹にあたり壁まで飛ばす。
尖った岩に突き刺さり腹から血が垂れる。
マフォクシーを岩から抜き取りゲッコウガの横に並べる。
マフォクシーの腹にはぽっかりと穴が空いている。
かろうじて息をしているが直に死ぬだろう。
俺はあることを閃いた。
ただいま喧嘩中の師匠とエーフィ姉ちゃんに回復を頼んだ。
「師匠頼んむよ。」
「しょうがないわね。」
そう言って師匠と姉ちゃんは癒しの波動を使った。
緑色の光りがマフォクシーを包み込む。
光りが消えると穴は塞がっていた。
ゲッコウガ達は気絶したままなのでアブソルの方を向く。
「さて、ずいぶん遅れたけど君がアブソルだね?」
「はい。私、あなた達の戦いを見て感動しました!仲間にしてください!」
「ええー…俺は別にいいけど。皆がいいって言うか…」
「いいよ!」
ニンフィアが手を出して握手を求める。
「ありがとうございます!」
「えー…」
俺は完璧に忘れ去られていた。
「はあ…さてゲッコウガ達を…ああっ!」
「どうしたの?」
ゾロアークが寄ってくる。
「あいつらが逃げた!」
「まあいいじゃない。依頼人保護したんだから。」
グレイシア姉ちゃんが林檎を食べながら言った。
疲れすぎてツッコミを入れる気力もない。
バッチは壊れてしまったので極楽峠まで戻りフーディンに送ってもらった。


「これで私が仲間になったのよ。」
「あの日の翌日は新聞の号外に載ったよね。」
「そーそー。『ツヨイネ地獄山を登りきる!』って。」
上から順にアブソル、ルカリオ、僕が喋った。
「ミミロップで最後ね。」
ロコンがため息をついた。

■筆者メッセージ
うーん…アブソル編実に長かった。
まあ次のミミロップ編は一話完結にできたらなあと思っております!
前回の話でポケハザについて書きましたが運営にダメ出しをくらいました。
新しく作ったのがこちら!
『PocketMonster―Dead―』
内容は、まあ読んでみて下さいませ…
では!次回もお楽しみに!
だんご3 ( 2016/05/05(木) 22:35 )