探検隊ツヨイネの日常 - 二章 記憶の欠片
14話 探検隊ツヨイネが誕生したわけ
「イーブイに何から話す?そもそも探検隊やってるって知ってるの?」
ルカリオがイーブイを見ながら聞く。
「へー。僕は探検隊やってたんですかあ!」
イーブイは目を輝かせて言った。
「ダメだこりゃ…一番最初からだ。」
エルがやれやれといった感じに首をふる。
「じゃあ、あたしが話す!」
グレイシアが語り始めた。
「あれは、一昨年の夏だったかなぁ…?」

―昨年の7月―
昼食の後クーラーの効いたリビングでゆっくりしていた時。
うとうととした空気を蹴散らすかのようにグレイシア姉ちゃんがテーブルを叩いた。
全員ビクッとしてグレイシア姉ちゃんを見る。
「探検隊やるわよ!」
唐突すぎて俺の脳が2、3秒フリーズした。
いやフリーズしたのは俺だけではなかった。
皆が理解してないことに気付き姉ちゃんはもう一度言った。
「だから!探・検・隊!やるのよ!」
「えー…やだー。」
ブラッキーが不満を言う。
「ふふふ、残念だったねブラッキー…こっちにはシャワーズ姉さんがいるからいさぎよく負けを認めなさい!」
「兄貴!なんとかしてくれよ!」
サンダース兄ちゃんの肩を掴み揺さぶるブースター兄ちゃん。
「シャワーズがやりたいっていうなら俺はいいぞ。」
「このシスコンがッ!」
サンダース兄ちゃんをビンタするブースター兄ちゃん。
「痛ってーなー。兄にそんなことしていいと思ってんの?」
「兄貴だって俺達のこと考えないでいっっつも頭の中は姉貴のことでいっぱいじゃねえか!」
「何でそんなこと知ってんだ!」
「姉貴に頼んだ。」
そう言ってエーフィ姉ちゃんを指差す。
サンダース兄ちゃんがエーフィ姉ちゃんを見ると明らかに顔が怒っていた。
「兄さん達…これ以上うるさくしないで!」
エーフィ姉ちゃんはサイコキネシスで二匹を外に吹っ飛ばした。
「これで静かになったわね。」
「ねー?探検隊になるには何をするの?」
リーフィアが訪ねる。
「んーと、確かギルドに行ってリーダー登録とメンバー登録それとチーム名を決めるんだっけかな?」
グレイシア姉ちゃんは自信無さげに答える。
「まあブースターか兄さんに任せたらチームは確実に崩壊するわね。」
窓の外で殴りあいの喧嘩をしている二匹を見てため息をつくシャワーズ姉ちゃん。
「リーダーは平等にじゃん拳で決めようよ。」
ブラッキーが提案する。
「人数が多いから最初は多い勝ちしよー!」
ニンフィアが楽しそうに言った。
「いくよー!じゃん拳!ポン!」
グー:
グレイシア・リーフィア・シャワーズ
チョキ:
ニンフィア・ブラッキー
パー:
イーブイ・エーフィ
「じゃ、チョキとパーでじゃん拳して。」
グレイシア姉ちゃんが笑いながら言った。
「いくぞ…じゃん拳ポン!」
グー:イーブイ
パー:皆
「い……嫌だあーー!!!リーダーなんて絶対やだー!」
「決まったんだししょうがないよ。」
ブラッキーが笑いを堪えながら言った。
「じゃあギルドに行って登録してきてねー。」
皆呑気なもんだ。
自分がリーダーじゃないからって。
「チーム名はどうするの?」
俺は出かける準備をしながら聞いた。
「適当でいいよ。」
「はあっ!?最初に決めとけよ!」
「あれれ?お姉さまにそんな口聞いていいのかな?」
グレイシア姉ちゃんが脅すように言った。
「もう俺がリーダーだからそんなの関係無いね。」
「でもまだ登録してないから称号としてはまだ『かわいい弟』ってところかしら。」
「ちくしょー!とっととリーダーになってやるー!覚えとけよー!」
言い残すと俺はドアを乱暴に開け外に飛び出していった。

―ギルドの前にて―
「へー、ここがギルドかあ。」
扉を開けなかに入り沢山のポケモン達がいるのに驚いた。
俺はカウンターまで進む。
「登録したいんですけど…」
「はい、新規登録ですか?それとも追加登録ですか?」
「えっと、新規です。」
「それではこの紙にリーダーとメンバーの名前を書いて下さい。一番下の欄にはチーム名を書いて下さい。」
紙とペンを渡される俺。
自分の名前と兄ちゃん達の名前を書くところまでは順調だったんだけど。いざチーム名を書くとなるとなかなか出てこない。
「んー。なんも出てこない。」
5分後
「ZZZ…はっ!寝ちゃったよ!」
12分後
「もう強くなることを願って『ツヨイネ』でいいや!」
「はい、登録完了です。これを差し上げますので頑張って下さい!」
俺は人数分のカバンとバッチを渡されカバンは肩に掛けたり手で持ったりしてよたよたと歩きながら帰った。
「うー、ただいまー。」
疲れはて玄関で倒れる俺をリーフィアが蔓の鞭で支えてくれた。
「チーム名は何にしたの?」
ニンフィアが興味津々な顔で聞きに来る。
「ツヨイネだよ。」
「何で?」
「強くなることを願ってね。」


「確かこれでこのチームができたんだよ。」グレイシアが懐かしそうに言った。
「色々あったんだねー。」
僕は頷きながら言った。

■筆者メッセージ
やっと過去編はいったぞー!
思えばもう14話。
読者様から見ればまだ14話。
自分のことだからすぐに飽きるだろうと思っていたのにまだ書き続けていることに自分自信が驚いています!
これからも僕とツヨイネを応援してください!
お願いします!


それと前回やった雑談は拍手メッセージや感想などで何か質問があればお答えしたいと思います。
(イーブイ達が。)
イーブイ「何で俺達に任せるんだよ!」バシッ
作者「痛い!お願い頼むよー。」
イーブイ「しょうがないな。じゃあバトルをもっと増やせよ!」
作者「わかったよ…」
イーブイ&作者「というわけでこれからもよろしくね!」
だんご3 ( 2016/04/18(月) 10:34 )